④神経いっぱい出ちゃったね

保健室で待ってる間、保健室の先生のことを考えると胸がどくどくして不整脈になって、身体がおかしくなると不随意筋を動かせるように思えた。隠れるみたいにソファの上で蹲ると時間が経つにつれお腹が臓物から幼虫の卵が産まれそうになる勘違いを蓄えて違和感が席巻する身体の生理機能が故障して、自律神経が意識的に周りに漏れていると思った。この異変はわたしにはよくあることだからむしろ異常ではないけど何も意識せず生きている時と比べたら生きる方法を致命的に感じるけど善悪以前にわたし固有の、一言で言うならば感情でもなく理性でもなく意識となるものがこの密室で二人のみだから心筋が全く規則のない収縮をしてわたしの見えざる手が保健室の先生を襲いかけた。二人で一対一で先生と生徒だから気まずいことはなくてわたしの神経の強調に気付いているのか残留した状態でずっと身体の中が暴れていると、先生が電話を繋いでくれたので保健室を出ることになった。好きな先生に自律神経を巻き込んでしまって申し訳ないけど治しようがないから今から向かうのは偶々骨折した指の治療を求める整形外科。何処か、意識に効く薬は出ませんか?


よく効くお薬を貰った。夜の幻想的なテラスが診療所と明媚に適合して薬局から帰ったらご飯を食べた。今夜は牛肉のクッパだと茶碗一杯呑み込んでお風呂に入った。指のギブスをやってしまったと嘆きながら外してお風呂で身体を丹念に洗った。お風呂の熱気から冷めた瞬間記憶がぐるんと入れ替わった急にきたあのデジャヴだこれデジャヴだこのお風呂上がり花柄の壁紙木目の板黄色のゴミ箱あっ気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪いうぇ、おぉぼぼげぉおどぼげぉぼぉぇ、おぼぉぉほぉごごょぉろどお腹と頭裏返されるみたい吐き気吐き気吐き気と吐き気が盛り上がり生体的気持ち悪さが意識にうぇぇはぁ、はぁ、包まれたように吐き気が全身に行き渡る。ん、あぁー、ふぅ。丁度ある容器に全部出せたからよかったけどこれどうするか。端をリボン結びして後でコンビニの燃える用の場所にしておくか。内容は溶けかけの人参とか半熟の茶色い肉とかリゾットとか。深夜お腹空くかもしれないのはそうとして、大分落ち着いた。意識から派生したこの現象はそう間延びしない。わたしには頻繁かつアトランダムに被るものでわたしは何度もデジャヴを味わうのだけど、多くにしてデジャヴから嘔吐を誘発する癖がある。幾度となく吐いてきたけど、また出た。


負傷以外は自由の身になって勉強しようと教材を敷くがしかし集中はできない。世界中の他人が今どうしてるのか知りたくて機械に縋って、女の子の秘密も覗きたくて調べ尽くして画像に耽る。身体は反応しないけれど見続ける。プラスになる予定の時間が追ってマイナスを累算してゆき薬にもなる毒が毒としてわたしを毒する悪影響が計れない。精神の導きに従え。だけど進まない。精神の導きに従え。もうちょっとだけ。精神の導きに従え。従わない。行為が命令に反して脇腹に汚濁が放射する。永久に改善しないわたしの甘さに血が滲む。


就寝前、痛み止めやらが混ざり合う錠剤を十以上晩酌してピアノに寄りかかってクールミントの香りを嗅ぎながら歯磨きしていると三秒ほどかけて景色が移行していった凝視して、あ、デジャヴ。またデジャヴだ。鏡台の見切れ、常夜灯の温帯、ドアの影。見たことある確か過去に同じことをしていた。段階的にこの実感に入ったためなのか今は過去だけならず未来が観える明らか過ぎるデジャヴとなっていてこの後はそうわたしが携帯を取り出して内部生命を研究しているんだったろう、あーほらわたしはそれを見た。身体に囚われる風景で精神が既視するこの家この部屋この世界。わたしは今特異な感覚世界を傍受している。未来予知ができた。それは意識の純度を高めたようで独特のとっかかりはあるけど余分な脂身はない。これは夢か幻覚か。意識が完全に扱えられればわたしのなすがままとして夢を捕獲できる可能性は大いにあるしわたしの神経は格段に疲弊していたり肉体に頼りがちな人類から抜け出そうとしていたりするのかもしれない。蒸気の温泉に茹だるわたしは夢にいるかもだ。でも何か動かないと夢世界に暗く収納されてしまいそうだと思うからばたばたしないと骨の一つや二つや四つ五つ六つ八つ九つ十一つ十七つ三十九つ二百六つ失くした方がよくて足をぶつけて痛いっ痛い痛いよ痛い痛い痛いって親指あぁー壁壁壁壁壁壁。心身の偏りで悲鳴をあげているのが得体の知れない苦しみのようだ。するとちゃっかりデジャヴが退出していった。


意識と吐き気と嫌気とデジャヴがあるよ。わたしの身体に往なすよ。超能力のように身体がわたしの神経が壊すよ。神経が、身体からはみ出ようとしている。

とすると。

肉体からの解放するためには?肉体からの解放するためには?肉体からの解放するためには?

それはもちろん。

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