第5話

 姉様が再び引き篭もった理由を私は知らない。

 姉がはじめて引き篭もったのは、スサノオに畑を荒らされ、飼い馬の皮を引き裂かれ、う○こを投げつけられたからだ。

 姉にまた、そのような厄災が降り掛かったのだと思うと不憫でならない......。


 可憐な女性が大地に降り立った。その女性は顔立ちこそ中性的だが、髪が腰まで届きそうなほど長く、服装も巫女服のような服を着ているので一目で女性とわかる、そんな風貌だだった。


「下界についたか......なんやかんやと言いながら私も降りるのは久しぶりだな。風景が偉く変わったな......どこだ? ここは?」


 辺りを眺めていると黒い肌をした人間たちに取り囲まれてしまった。


「Oh〜Japonês MIKO!!」

「なんだ!? 貴様ら!? 群がるな!」


 何を言っているんだこいつら!?いつの間にか言語すら変わったというのか!?


 無理もない。

 そこは日本ではなく南米ブラジル。


 頑張れツクヨミ! 日本まであと1万と8千キロメートル!

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