第6話 理性が抑えられない
ダンスに夢中で体制を崩し、つぐみさんを押し倒してしまった。
二人の体が密着する。顔と顔は今にも唇と唇が触れそうな距離まで接近していた。
「あの……その……」
二人は気まずく動かない。見詰め合ったままだ。
ムニュ と清水の手にはやわらかい感触が、接近していた顔をゆっくりと遠ざけ、手を確認する。おっぱいだ。つぐみさんのおっぱいを鷲づかみしていた。
「ご、ごめん!」
清水は謝りながらも、我慢できずつぐみさんのおっぱいを三回揉む。硬い下着の感触とその下の柔らかいおっぱい。清水の理性は飛びかけていた。
「あっ……」
つぐみさんから可愛い吐息が発せられる。めちゃくちゃ可愛い、その後、急に我に帰ったのか
「ちょっと! どこ触ってるんですか! ごめんって言いながら触りつづけてるじゃないですか! 」
つぐみさんが顔真っ赤にして清水の手をつかんでおっぱいから離そうとする。
「わわあああああ、ごめんなさい、すぐやめます!」
清水はつぐみさんのおっぱいから急いで手を離しその場から少し離れる。
「清水さん……」
「はい……」
「押し倒したのも、最初の一回は触ったことは不可抗力だとおもいます……でも最後の三回は完全に故意ですよね?」
「すみません……つい……」
「スケベ……」
「すみません……」
「おっぱい星人!」
「すみません……」
つぐみさんの罵倒にすみませんしか出てこない清水。
「それと……あれが……すごい立ってますよ」
つぐみさんが口で手を覆いながら、少し目逸らす。
「わああああああ!」
清水は大事なところを急いで抑える。男なら無理もない。ましてや好きな女の子のおっぱいを三回も揉んだのだから……
しばらく無言の二人。なんとか欲望を抑える清水。沈黙を破るようにつぐみさんから声をかけられる。
「おさまりましたか?」
つぐみさんが目を細めながら呆れたように言う。
「つぐみさん、怒ってます?」
「少し怒ってますよ、エッチな人……」
「どうしたら許してくれますか?」
つぐみさんが少し考える。
「……カラオケ代、それとお昼ご飯奢ってくださいね、三回も触ったんですからね」
つぐみさんが少し怒りながらも言う。
「奢ったら許してくれます?」
「許しますよ♪」
つぐみさんの顔はニッコリと微笑んでいた。清水はつぐみさんの笑顔に弱い。
「わかりました、なんでも好きなのお奢りますよ」
つぐみさんがガッツポーツしていた。その後カラオケも時間なので清水全額負担でカラオケパークを後にする。そして昼食の話題へ
「何を食べたいですか?」
「お寿司、回転寿司行きたいです、おっぱい星人!」
「わかりました! 行きましょう、でもおっぱい星人はやめてください……」
「おっぱい星人さん!」
「さん付けしても駄目です」
昼食も決まり、近くの回転寿司屋へ自転車でGO! 自転車をこいでる間も清水はつぐみさんのおっぱいの感触を思い出しながら少しニヤついていた。全然反省していない。
すぐに回転寿司屋に到着、店内に入ると意外にも待ち時間はなく、テーブル席に案内される。
「サーモンにイクラにマグロにーネギトロー♪」
つぐみさんが楽しそうに寿司を次々と取っていく。清水も次々と皿を取る。
「おいしいですね、お寿司」
「とってもおいしいです、奢ってくれてありがとうございます! たくさん食べますよ~」
お寿司を食べてる姿も子供みたいで可愛い、金髪だがツインテールはやはり人を子供っぽく見せる効果があるみたいだ。
「さっきは本当にごめんなさい……」
「おっぱい好きなんですね!」
「いやそんなことは……」
「三回も触ったのに?」
「すみません……好きです」
「へ~え好きなんですか……」
完全にからかわれてる。からかうつぐみさんはなんか楽しそうでさっきのことなんかもう気にしてない様子だ。
「いつかまた触らせてあげますよ! 気が向いたらですけどね!」
思わずお茶を吹く清水。
「女の子がそんなこといっちゃ駄目ですよ!」
「冗談ですよ?」
またからかわれてる清水。からかうつぐみさんは無邪気な子供みたいで本当に可愛い。もう告白したかった。しかし告白して振られたらバイトでも気まずくなる。今の関係を崩すぐらいなら、告白なんてしなくてもいいんじゃないかと考える。
「あーおいしかった」
「おいしかったですね」
清水の奢りで回転寿司屋を後にする。二人で三千五百円。つぐみさんは小さな体なのに結構食べていた。女の子らしくデザートも注文していた。
「じゃあ今日はこの辺で解散しましょう、今日私、夜バイトなんで」
別れるのが寂しい清水、それでも引き止めようとはしない。
「さようなら清水さん、今日は楽しかったです。」
「さよなら僕も今日楽しかったです」
つぐみさんと別れたと思った清水、その時誰かが トントン と肩を叩く。振り向くとほっぺに指があたった。
「えへへ、おっぱい触ったお返しです。これで今日のことは水に流しますよ。それじゃまたバイトで合いましょうね♪」
立ち去る金髪ツインテールの後ろ姿がなんだか印象に残った日になった。
「もう抱きつきたい!」
清水の理性が吹っ飛んだ一日であった。
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