現場につくと、結界は割れていた。

だが、一部だけでなく遠間隔に。

「あ〜あ、これは時間かかるな。張り直すのには色々足りないから仮止めだけしておくか」

「俺は他も見るついでに犯人を探そう」

それぞれは自分のすべき事についた。


漆が戻ってくると、真神と狐のような男が

闘っていた。周辺は荒れ、両者とも傷を負っている。

狐は漆の姿を確認すると、

「これは分が悪いな…おいカミサマよぉ!

お前の死に場所はお前ん家だ!あのオンナと一緒にこの地に埋まるんだな!!」

そう叫び森に溶けていった。


狐が消えた後、漆は真神に近づく。

「おい、アイツは誰だ。明らかに殺意しかなかったぞ」

真神の返答がなかった。

「…っ!!」

怒りに打ち震え、目の色を変えた真神の異変に気付いた漆は気を逆なでしないよう言った。

「過去のことは知らんが奴を倒さなければ

お前は死ぬんだろう。今 自我を失ってどうする。帰ろう。ここに居ても仕方がない。」

放心状態の真神をなだめつつ半ば強引に社へと連れて

帰った。

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