4 終話
絶望に暮れた銀は、自分も姉のあとを追い
消えようと同じく喉元を掻き切った。
わずかな痛みしか感じない。ためしに手首も切ってみた。死ねない。綺麗な鮮血が服を
赤く染めていくだけだ。
「ああ…鈴。これを壊さなければ…」
そう言うと、髪飾りを外し握りつぶした。
···砕けなかった。銀製とは思えない程
硬度が高くなっているように感じた。
「姉上の分まで生きて罪を償えと…そういうことか」
いつの間にか降り出した雨に打たれ
周囲を血溜まりで染めながら、銀は意識を手放した。
目が覚めた時にはいつもと変わらない天井を見ていた。
何も無かったかのように生活する周りの人達。
変わらない日常が続き時は過ぎていく。
ただ一つ、狼守町の結界が弱くなっているのを除いては。
やはり、対のモノは対でなければ。
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