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夢について考え込んでいると、遠く懐かしい記憶が呼び覚まされる様な鈴の音が微かに聴こえた。

しゃ…ん……しゃん…しゃりん……………

「この音……姉上…?この町に居るのですか?」

銀鈴は慌てて布団から飛び出し、身支度も曖昧に、朝焼けに照らされ輝く銀色の髪をなびかせ音を頼りに町へと駆け出していった。



「私と同じくらいの背格好で髪が金色の巫女服を着た少女を見てはいないか?!」

道行く妖たちに声をかけ続ける。

だが、その返答はどれも『見ていない』


町を全て聞き見て回り数十分は走り回っていただろう。

姉を見つけるどころか情報すら集まっていない。

あの音は聞き間違いで、夢の変化のせいで『姉がこの町に居る』と確信したのは間違いだったのかと希望を無くし家路についたその時だった。見るからに怪しい古美術品を売り歩いていそうな中年の男が、鈍く光る金色の鈴を手にしているのが目に入った。

「形も紐の色も姉上と同じ…。けれど姉上の姿が見えない。それに、鈴の色が…黒くなってる?」

その鈴が本当に姉なのか近付いて確かめようとした時、薄汚れて古美術品としての価値はないと見たのか男は鈴を投げ捨てた。


駆け寄りその鈴に触れようとした瞬間に何か結界のようなものに阻まれ、手に電気のような鋭い衝撃が走った。すると、少女が現れた。

だが、その少女は何処か様子がおかしい。

光を無くした瞳を持ち、髪は金色とは呼べない煤けた色をしていた。

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