1
狼守町の比較的新しい住宅地に位置する
いつもの夢とは違い少女が動いたのだ。
夢の中の少女は光の無い真っ黒な瞳でこちらを見つめ、『助けて、ここから出して』と繰り返す。
銀鈴が近寄れずに居ると、少女の背後のドロドロとした何かが少女を蝕むように覆っていった。
暗闇に溶け込んだ何かは音も立てずに銀鈴の背後に居た。
気付いた頃にはもう遅かった。襲われる。
そう思った瞬間には現実の世界に戻っていた。いつもの布団の中で、いつもの天井を見上げている。
「夢の内容が変わった…もしかしたら姉様に何かあったのかもしれない。それが良いことだといいのだけれど」
そっと布団の上で呟く。
外はまだ日が出ていない。だが、空は白んできている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます