現代妖奇譚(仮)

蛙鳴雀噪(長期休暇中)

双つの神

物語の始まり

同じ夢を見る。

暗闇でひとりの少女が泣いている夢を。

少女は自分とよく似た巫女服を着用し、

自分には無い、黄金に輝く長い髪は彼女の顔を覆い隠してしまっている。

その背後には黒くドロドロとしたが取り憑いている。

恐怖と使命感が入り交じった感情で必死に彼女に近付こうとする。

しかし透明な壁に阻まれ、伸ばした手と悲痛な叫びは届かない。

助けたい。助けなければいけない。

でもどうやって?居場所もわからない。

探す術はただひとつ。それは"鈴の音"

遠い昔の記憶の中にある懐かしい音。

それだけを頼りに探し続ける。


「必ずみつける。待ってて下さい──姉上」

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