第29話

スカーレットは、動揺しているファジーに、「ファジー、落ち着いて聴いてね。信じられないと思うけど、これから話すことを聴いて。」と言うと、スカーレットは、今まであったことを話した。

ファジーは、信じられなかったけど、天使はいるし、空に浮かんでいる家の中にいるし、スケッチブックからは、鳥が飛び出てくるし、信じるしかなかった。

天使は、青鬼の弱点が何かわからず悩んだ。そして、青鬼のお面を出してもらうことにした。

スカーレットは、お面を出すと、「このお面が、おじいさんの正気を、ほとんどとったんだわ。でも、コーヒーを、飲んで、あなたのおじいさんの身体は、青鬼が全て取り込んでしまったわ。このお面は、今はただのお面だわ」と、天使は、言った。

スカーレットは、「このお面に戻すことは、と出来ないかしら」と、言うと、「そうだわ。ママの姿を見せたら、おじいちゃんに、戻れないかしら?」と言った。天使は、「それは危険なことにならないかしら?ど

うやって、あなたのお母さんを出すの?」と、言うと、「ママの絵を描いて、ママを出すの」と言うと、「それは、亡くなった人を出すということでしょう?どうやって絵の中にもどすの?」と、天使は聞いた。

スカーレットは、行き詰まってしまった。

しかし、やはり、ママとおばあちゃんしか、止められるのは、いない、と、思ったスカーレットは、一度家に帰ることにした。風船の家から、出ると、家に向かった。

家に帰ると、真っ先に、ママの部屋だった部屋へ入り、奥に行くと、油絵を一枚一枚取り出して行った。

そして、ママが、大人になった時の絵を選ぶと、スカーレットは、スケッチブックに、真似て描き出した。色を塗ると、しばらくして、スケッチブックから、若いママが出て来た。ママは「あら?ここはどこ?」と、辺りを見回した。

「ママ」と声をかけると、「あなたは誰?」と言った。スカーレットは、傷ついたけど、我慢して、「ママのお父さんが、大変なの。」と言うと、「パパが大変なの?」「どういうこと?」と、聞くと、「未来のパパが、化け物になってしまったの。私のおじいちゃんよ。」「あなたのおじいちゃん?」「そう。私は未来のママの子供よ」と、言うと、ママは、びっくりした。「私は、子供を産めたの?あなたが、私の子供なの?」と言うと、「うん」と、応えた。すると「夢かしら、私は子供を産めたのね」と、言うと、スカーレットを、抱きしめた。「私の子」と、涙が流れていた。「名前は、なんてつけられたの?」と、聞くと「スカーレット」と、言うと、「スカーレット、優しい名前ね。私つけたのね。きっと」と、言うと、「あなたを信じるわ」と、言うと、

「さあ、行きましょう」と、ママは言った。その光景を見ていたファジーは、半ば,怖かったけど、二人の姿を見ていたら、泣けてきた。

すると「ファジー、待っててくれる?」と言うと、「いいえ、私も行くわ。私の馬車を乗って行かれちゃったんだもの。」と、言うと、「ありがとう。じゃ、もう一人、天使さんを描くわ。天使さん、いい?」と、聞くと、「いいわ。私も心強いわ」と、言うと、スカーレットは、スケッチブックに、天使を、描いた。色を塗ると、乾いたら、もう一人の天使が出て来た。

スカーレットは、スケッチブックに、いったんママを戻すと、スケッチブックをたたみ、スカーレットは、最初の天使さんの背中に、ファジーは、新しい天使さんに、抱きかかえられ、空を飛び街へ向かった。

青鬼は、すでに街に着いていて、青鬼は、身長は、3メートルは、あるんじゃないかというくらい、巨大化していた。

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