第28話

青鬼は、スカーレットの部屋のドアが、鍵がかかっていたので、ここかと思い、「.スカーレット、おじいちゃんだが、夕飯を食べないかい?」と、おじいちゃんの声で言った。しかし、返事は返ってこなかった。青鬼は、イラついたが、「お前が来ないと、おじいちゃんは、夕飯を食べれないよ。だから、早く来ておくれ」と、言うと、ダイニングに入り、スカーレットが、来るのを待った。

しかし、いくら待っても来ないので、青鬼は、怒りスカーレットの部屋のドアを、叩き割った。

中には、誰もいなかった。青鬼は、「どこに行ったんだ?どこに逃げたんだ!」と、探しながら、「外に逃げたのか?」と、思うと、庭に出た。庭にも居ず、近くの森を見つけると、森の中に入っていった。

森の中は、暗かった。青鬼は、おじいちゃんの身体なので、目が悪く、森の中が暗くて見えなかった。悔しがりながら、朝になるのを待つことにした。

翌日、青鬼は、森の中へ入って行った。

スカーレットは、朝日の中、スケッチブックに、天使を描いた。


天使は、色が乾くと、スケッチブックから、飛び出した。


スカーレットの前に現れると、スカーレットは、「天使さん、あの青い化け物を、倒せる?」と、聞いた。天使は「悪人なら、倒す自信がありますよ。」と、応えると、スカーレットは、ホッとして、「お願いします。おじいちゃんを助けてください」と、お願いした。天使は、真っ白な羽根を広げ、風船の家から、飛んで森の中へおりて行った。,

そして、青鬼と出くわすと、天使は、魔法の杖を、出し、青鬼と戦い出した。

青鬼は、中途半端に出来ていたので、天使の攻撃に弱かった。そして、倒されそうになると、「やめてくれ、わしが何をしたと言うんだ?わしは、とりつかれていただけだ」と、鬼は言うと、天使は、攻撃をやめた。しかし、次の瞬間、青鬼は、鋭い爪で、天使のお腹を刺した。


天使は、お腹を押さえながら、倒れた。そして、消えた。


青鬼は、「やった!勝ったぞ!」と、言いながら、笑い出した。


スカーレットは、近くで見ていて、青鬼が、おじいちゃんのふりをするのを見て、「。さ,さなんて卑怯なの。おじいちゃんを、取り戻してやる」と、決心し、家に帰ると、赤鬼のお面を隠していた場所から、出すと、風船の家に戻った。


そして、青鬼のお面を見ながら、確か、赤鬼のお面は、コーヒーが、口の中に入ったら、おじいちゃんに戻った。あの青鬼も、コーヒーを飲ませば、おとなしくなり、おじいちゃんに戻るんじゃないかと、思った。

スカーレットは、また、怖いけど森に戻り、家まで帰ると、キッチンに、コーヒーをたくさん作りに行った。

すると、青鬼は、微かに香ってくるコーヒーの匂いに、つられ、家まで戻った。

スカーレットは、キッチンで、急いで作っていた。

そこへ、とうとう青鬼が、来た。


スカーレットは、大きな鍋に、入れると、青鬼が、できるだけ近くに来るまで待って、青鬼が、スカーレットを捕まえようとした時、鍋を青鬼の顔にぶっかけた。


すると、青鬼は、「うわー」と叫ぶと、みるみると、背が高くなり、顔は、お面より怖くなり、おじいちゃんの身体を自分のものにした。

そして、スカーレットに飛びかかって来た。スカーレットは、夢中でかわし、逃げた。青鬼は、スカーレットの後を追った。

スカーレットは、森の中を、青鬼を、かわすように、ぐるぐる回りながら、青鬼を、まいた。

急いで、風船の家にいき、空へ浮かんだ。


森の中から見えないほど、高く浮かせた。


それから、消えた、天使をもう一度描いた。そして、刺されたお腹をきれいに消して、色を塗った。

乾くと、天使は、スケッチブックから出て来た。天使は「お腹の傷を治してくれてありがとう」と言うと、スカーレットは「ごめんなさい。あんなひどい目にあわせて」と、泣きながら詫びた。天使は、「私の不覚ですから、あなたが謝ることは、何もありませんよ」と、言うと、しばらく沈黙して、話出した。「青鬼は、おじいさんを、とりこんだみたいですね」と言った。


「なぜ?あの面は、コーヒーに弱いはずよ。なぜ、急に大きくなったの?なぜ、あんなに一段と顔が怖くなったの?」と、聞くと、天使は「赤いのが、コーヒーに弱く、青いのが、コーヒーを飲むと、強くなるんじゃないかしら?」と、応えた。

そう言えば、そうだと、スカーレットは気づいた。

「じゃあ、どうすればいいのかな」と、考え込んだ。

すると、天使は、「そのお面、おじいさんの正気を、随分吸い取ったみたいですね。」と、青鬼のお面を、指した。

「お面?そうだこのお面。」と、思い出した、「これ、どうすれば、いいんだろう、、」と、スカーレットは、考えた。元は、このお面だ。これが、おじいちゃんを変えてしまった。そう考えているうちに、ファジーが、今日くることを思い出し、危ないと、天使に言うと、天使は「私の背中に乗りなさい」

と、言うと、スカーレットは、背中に乗った。天使は、街へと続く道を見つけると、スカーレットの家に行くファジーの馬車を見つけた。


スカーレットは、急いでおりると、ファジーが、来るのを道の真ん中で待って止めた。


ファジーは、びっくりして、馬車からおりると、「スカーレットじゃない、どうしたの?あぶなかったのよ」と、言うと、スカーレットは、「今日は帰って街に。いろいろ大変なの。理由はきかないで」と、言うと、天使が、降りて来て「スカーレット、青鬼が街に行くつもりよ。この道に出て来たわ」と言うと、天使に呆然としていたファジーを、天使は抱くと、スカーレットを背中に乗せて、空高く舞い上がった。

そして、風船の家に戻った。


ファジーは、突然のことで、頭がこんがらがった。

「スカーレット、これは、どういうこと?何が起こったの?説明して頂戴」と、言った。


スカーレットは、「もう少し経ったら言うわ」「今は、私を信じて」と言うと、スケッチブックに、鬼の後を追いかける鳥を描いた。色が乾くと、鳥はスケッチブックから、出て来て、飛んで行った。ファジーは、ただ呆然と見ていた。天使は、青鬼が、馬車を見つけ、それに乗り街におりて行ったのを、見ると、戻って来て、スカーレットに伝えた。ファジーは「私の馬車!」と、やっと我にかえって、「馬車を取り返さないと」と、言って、降りようとしたが、風船の家は、空高くにのぼっていたので、ファジーは、あまりに高く、足がすくんでしまった。

「ファジー、これから、話すわ」とスカーレットは、言った。

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