第25話
スカーレットは、部屋に戻ると、扉の鍵を閉めた。
おじいちゃんは、スカーレットに聞きたいことがあり、スカーレットの部屋の扉をトントン叩いた。
しかし、昨日のことが、頭から離れず、おじいちゃんを、怖がった。
おじいちゃんは、扉越しに、スカーレットに、「スカーレット、昨日、何があったんだ?おじいちゃんは、わからないんだ。何で、皿が足りないんだ?ダイニングのテーブルは、なぜヒビが入ってるんだ?
リビングのソファは、まるでひっかいた様な傷があるんだ?」と、質問を、した。
すると、「おじいちゃんのせいよ」と、はっきり言った。
おじいちゃんは、ショックを受けた。「わしがか?」と、聞いた。
「そうよ。おじいちゃんのせいよ。だから、あたし、おじいちゃんには、もう会いたくない。」と、言うと、「そうか。おじいちゃんお前が嫌いになるくらい、何かがあったのか」と、言うと、部屋へ戻って行った。
しかし、孫に嫌われ寂しくなったおじいちゃんは、また、コレクション部屋へ、入って行った。
そこには、床にお面が一つ落ちたままだった。
おじいちゃんは、それを拾うと、棚の奥に置いた。
ふと、「あれ?お面は、一つだけだったかな?」と、思うと、なかなか思い出せず、「一つしかないから、一つしかなかったんだろう。」と、思い、それ以上は考えなかった。
おじいちゃんは、コレクションを、一個一個取り出しては、 手に取り見ていた。
おじいちゃんは、虚しくて、集中できなかった。
スカーレットは、ハッと思い出した。お面は二つあったと、急いで、母の部屋へ行くと、おじいちゃんが、いた。
そして、いつの間にか、お面を持っていたおじいちゃんを、見ると、「きゃーー!」と、叫び部屋を飛び出した。
おじいちゃんは、びっくりして、スカーレットのあとを追った。スカーレットは、部屋に入ると鍵を閉め、スケッチブックと、ペンと絵の具セットを持つと、出窓から、外へ出ると、森へ入って行った。森は、光る花がキラキラ光っていて、スカーレットを、導いて行った。
スカーレットは、風船の家に着くと、中に入った。
すると、風船の家は、ふわっと浮いて、木々にぶつからない様に、空に上がって行った。
スカーレットは、今日は、ここで寝ようと、決めて、うずくまった。
そのころ、おじいちゃんは、スカーレットは、部屋にいるものと思い込んで、扉ごしに話しかけていた。
「スカーレット、なぜそんなに怖がるんだ?わしは、いったい何をしたんだい。教えてくれないかい?」しかし、返事はなかった。スカーレットは、いないのだから。
おじいちゃんは、諦め自分の部屋へ帰って行った。その手には、お面を持ったままだった。
部屋に帰り、ベッドに横になると、お面に、やっと気づいた。「持って来てしまってたのか」と、思うと、お面を撫でた。
そして、そのお面を顔にかぶせてみた。なぜか、心地よく、おじいちゃんは、そのまま寝付いてしまった。
しかし、何も起らなかった。
翌日、スカーレットは、風船の家で、目が覚めた。
おじいちゃんは、まだ、寝ていた。
スカーレットは、朝ごはんどうしよう、と悩んだ。おじいちゃんのも、作らないといけないし。と、無意識におじいちゃんの心配もしていた。
スカーレットは、朝ごはんを、作ろうと風船の家を、森の中まで、戻した。家に向かう途中で、山菜を取りながら、帰ると、畑に野菜を取りに行った。
家に戻ると、乳絞りに行くと、重い入れ物をヨタヨタ持って帰った。
ご飯を作り出すと、スカーレットは、鬼のお面のことを思い出していた。「あんな怖いのになったのに
懲りずに、また、お面を持って」と、スカーレットは、怒っていた。
朝ごはんが、出来上がると、恐々おじいちゃんを、起こしに行った。
扉を叩いたが、返事がなかった、ら、扉を開けると、おじいちゃんは、まだ、寝ていた。起こそうかと、近づくと「きゃーー!」と、悲鳴をあげた。その声で、目が覚めると、起き上がると、お面は、落ちた。
スカーレットは、また、化け物になったかと思ったが、お面がくっついていなかったことが、わかると、ホッとし、「おじいちゃん、朝ごはん出来たよ」と、言うと、部屋を急いで出て行った。
ダイニングに、用意するのは、スカーレットは、怖かった。しかし、リビングや、キッチンでも、暴れていたし、どこも逃げるとこないかと、諦めて、ダイニングのテーブルに食事を並べた。
おじいちゃんが、部屋から出て来ると、ダイニングに入り、「おー、お前が全部作ってくれたんだね。」と、言うと、「さあ、食べよう」と言い、二人は食べ出した。
おじいちゃんは、ホッとして、また孫と一緒にご飯を、食べれる事を、嬉しく思った。
スカーレットは、いつも通りの朝だったけど、なぜか、馴染めなかった。二人は、無言で食べていた。
食べ終わると、二人で片付けて、スカーレットは、部屋で、昨日教わった歌を思い出しながら、おさらいをしていた。
おじいちゃんは、お面が孫を怖がらせたのか、気になり、聞いてみようと思ったが、スカーレットは、自分と話をするのを嫌がっているのが、よくわかったんで、諦めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます