第22話

翌日は、ファジーは、スカーレットの授業は、休みだった。


スカーレットは、いつものように、おじいちゃんと、一緒に食事の準備をしていた。でも、鼻歌を歌いながら。おじいちゃんは、その可愛らしい声に癒されて、嬉しそうに作っていた。


食事が済むと、おじいちゃんは、「スカーレット、おじいちゃんにも、教えてくれるかな?歌を」と、言うと、スカーレットは、喜んで、歌い出した。

その歌は、娘のマイラが、スカーレットが赤ちゃんの時に歌っていた歌だと気づいた。

懐かしくなりながら、おじいちゃんは、酔いしれた。スカーレットは、次から次へと歌って行った。

おじいちゃんは、目をつむり、じっくり聴いていた。


しばらく経つと、スカーレットは、「ジも、書けるのよ。今ノート持ってくるね」といい、部屋に行くと、ノートと、ペンを持って来て、歌を歌いながら、「この歌がね、こう書くんだって」と、いいながら、大きな字で、書きながら、歌いだした。

おじいちゃんは、孫にお金の数え方しか、教えていなかったことを、恥じた。字を教える時間は、たくさんあった。なのに、乳搾りのやり方と、畑の作り方、掃除、ご飯の作り方しか、教えていなかった。


孫は、家政婦じゃないのに。と。

おじいちゃんは、スカーレットに、負い目を持ってしまった。

娘が亡くなってから、すっかり閉じこもるようになり、気づけば、学校にも入れない、勉強は、教えない、孫の遊びに付き合わない、友達など考えたこともなかった。


孫の友達も、考えてあげなければならない。今度、ファジーさんに、聞いてみよう。と、思うと、「自分は、マイラを、どう育てていたんだろう?」と、わからなくなった。マイラは、普通に学校に通わせていたし、妻が育児と教育をしていた。わしは、何をやっていたんだろう?


思い出せない年月を、じれったがりながら、思い出そうと、していた。


家のことが、ひと通り終わると、スカーレットは、森に行った。


こびとさんたちに、会うためだ。

昨日、教わった歌を、教えてあげたかった。


こびとさんたちの家に着くと、「こびとさん、いる?」と、声をかけた。すると、ひょこひょここびとさんたちが、出てきた。


スカーレットは、嬉しそうに、「あのね、あたし歌を覚えたの。とてもいい歌よこびとさんたち、聴いてくれる?」と、言うと、「聴きたい。聴きたい」と、言ってくれた。スカーレットは、喜んで、歌い出した。


こびとさんたちは、踊りながら、歌を聴いていた。

スカーレットも、嬉しくなり、踊り出した。

そうしているうちに、スカーレットの周りには、小鳥さんやアライグマさんや、鹿さんたちや、いろんな動物たちが、集まっていた。


みな、スカーレットの歌を聴いていた。小鳥さんたちは、コーラスの様に、ささやき出した。そのいろんな鳴き声は、歌に音楽を、付けた様だった。


スカーレットは、とても気持ちがよく、また、新しい歌を教えてもらいたいなと、思った。


こびとさんたちは、スカーレットが歌った歌を一つ覚えたらしく、今度は、こびとさんたちが、歌い出した。

スカーレットは、すごく喜んだ。


「ありがとう、ありがとう」と、言うと、こびとさんたちと一緒のミニコンサートは、終わった。

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