第13話

少女は、ぐっすり眠り、朝をむかえた。「わー、よく寝たー」と、起きると、布団の中が、モコモコしているので、ガバッと開けると、こびとさんたちが、寝ていた。


びっくりして、降りようとしたら、床に二人、落ちたまま寝ていた。


やっと思い出して、落ちてたこびとさんを、そっと布団の中に入れると、着替えて、キッチンに向かった。


キッチンでは、おじいちゃんが、取り立ての野菜の皮を、むいていた。

「おじいちゃん、おはよう!」と元気に挨拶をすると、おじいちゃんも、「おう。おはよう」と、元気に応えた。


「今日は、何作るの?」と、聞くと、「楽しみにしておきなさい。ミルクが、まだ絞ってないんだ」と、言うと、「じゃ、あたし、取ってくる!」と、言うと牛の納屋まで、ミルクを絞りに行った。


牛さんのところに着くと、屋根に穴が空いていて、ちょうど牛さんの上だった。

少女は、ミルクを、絞ると、牧草を置いてあるところに、行き、いっぱい持つと、牛さんの納屋に行き、床一面にひきつめた。


そして、ミルクを、持って、家に帰った。

少女は、「おじいちゃん、牛さんの、小屋水だらけになってるよ。屋根に穴が空いていた」と、言うと、「そうか、それは、大変だな。朝飯を食べたら、見に行こう。床には、わらを引いてあげたか?」と、聞かれると、「もちろん!満遍なく引いたよ!」と応えると、朝ごはんの準備を、一緒に作り出した。出来上がると、食卓に並べ、「今日は、ソーセージが、あるね。」と、嬉しそうに食べた。

おじいちゃんは、その愛らしい笑顔が、とても、可愛くて、自分のソーセージも、あげてしまった。


孫は、時々、娘のことを思い出させた。エクボが、娘譲りで、よく似ていた。おじいちゃんは、おばあちゃんが、孫の顔を見れずに亡くなってしまったことが、残念に思った。


「おじいちゃん?おじいちゃん?」と何度も呼んだけど、返事が返って来なかったので、心配していたら、「あ、ああ、済まんな、昔のことを思い出してな。悪かったな。」と、いつものおじいちゃんに戻っていた。


食事が終わると、おじいちゃんは、「今日は、街まで行ってくる。日暮れまでには、帰ってくるようにするから」と、言うと、身仕度をして、家を出た。


少女は、「あー、よかった。こびとさんたちの、洋服を、乾かせる。カバーも、干せるな」と、急いで、部屋に向かった。


洗濯物を取ってくると、急いで、洗濯すると、乾かした。


それから、家の戸締りをしっかりすると、森に出かけると、こびとさんたちの、家は、泥でグチャグチャになっていた。


奥へ進み、キノコと大きな木の家を見つけると、見た目は、頑丈で、階段を、登って見ると、屋根も床も丈夫だった。


ただ、キノコの家は、やはり、中に水が入ったあとが、あり、それに、キノコに本当のキノコが、生えていた。


少女は、悩んだ末、キノコの家を作り直すことにした。


先ず、スケッチブックとペンとかを持って来て、キノコの通りに描いてみた。色もそのまま、塗ってみた。


しばらくすると、そこにあったキノコは跡形もなく消えてしまった。


少女は、悲しかったけど、他に方法が、わからなかったから、仕方なく、消えるかどうか、賭けてみた。


しばらくすると、スケッチブックに戻った絵も、消えていた。


少女は、「ごめんね。ごめんね」と、謝った。泣いていた。

そして、また、新たに、キノコの家を描いた。今度は、部屋は階段付きにして、キノコの真ん中辺を、部屋にするように描いた。


こびとさんたちの家まで、戻ると、レンガを思い出し、レンガを何度も往復して、ある住みやすそうなところへ持ってくると、そこに七つ二階建ての家を描いた。中も細々描き、こびとさんたちを、呼びに行った。


こびとさんたちは、朝ごはんが食べたかったらしく、キッチンは、荒らされていた。


少女は、びっくりして、「こびとさんたちの、家を造ったから、みに行ってみて」

と、教えると、キッチンを出て、少女の部屋まで戻り、出窓から飛び出して行った。


少女は、「こりゃ、片付けるのすごく大変。」と、ため息をして、片付け始めた。


森では、こびとさんたちが、新しい家を、探していた。


やっと見つけると、自分たちの家って、ここかな?と、れんがの上に立っている家を見ながら言っていた。こびとの一人が、思い切って中に入ってみると、中は二階建てになっていて、ベッドも、イスもテーブルも、揃っていて、クローゼットもあり、戸をあけると、洋服や、帽子や、靴が何セットもあった。


こびとさんたちは、大喜びで、それぞれの家を見て回り、また、喧嘩しながらも、自分たちの家を決めて、どうにか、おさまった。


それを後で、見た少女は、「みつけてくれたんだ。よかったー」、とホッとして、「新しい住まいはどうかな?」と、心配しながら、聞いたら、みな良かったと、言ってくれて、少女は、安心した。

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