第10話

おじいちゃんは、牛を散歩に、連れに行った。


少女は、こびとさんたちのところへ、行っていた。

こびとさんたちは、少女が、泣いているのが、気になり、お花とかを両手に持ち、わたしたりした。

「ありがとう。嬉しいよ」と、言いながら、受け取った。


こびとさんたちは、「泣かないで、あなたは、僕たちのお母さんだよ。あなたが、泣いたら、僕たちも悲しくなっちゃう」と、一人が言うと、他のこびとさんたちも、泣き出した。

やっと少女は、理解出来て、泣くのを、やめた。そして、「ごめんね。もう泣かない、」と言うと、笑った。


こびとさんたちも、ホッとして笑った。

そばには、少女が描いた、カラフルな動物たちが、いつの間にか、いて、少女は、囲まれていた。


「あなたたちも、心配してくれたの?」と、聞くと、鹿の子供が、葉っぱを、口に加え、少女のそばに置いた。

少女は、「わかった。ありがとう。もう泣かないね。」と、言うと、動物たちは、バラバラと それぞれいなくなった。


少女は、「あたしは、お母さんなんだ。この子達のお母さんなんだ」と、思うと、 さみしさがなくなり、とてもハッピーになった。


自信がつくと、少女は、家に戻って行った。

そして、お母さんの部屋だったところに入ると、そこは、おじいちゃんの、悪趣味な物で溢れていた。


ひしめくように置いてある、物たちは、おじいちゃんが、気に入っているだけあって、埃もなく、それぞれ傷もなく、つやがあり、きれいだった。

その奥に、おじいちゃんが、お母さんが子供のころから、描いてきたお母さんの似顔絵があった。おじいちゃんは、お母さんの姿を描くのが楽しみだった。


その絵も、埃も黄ばみもなく、きれいに保管されていた。

おじいちゃんが、お母さんを、忘れていないことが、わかり、少女はホッとした。


少女は、お母さんの絵を、見ながら、うたた寝を始めた。


おじいちゃんが、帰ってくると、少女が、どこにもいないので、また、森に行ったんだろうと、思い、少女が、寝ている部屋の戸を開けた。


ガサガサ探っていると、少女は目が覚め、「おじいちゃん?」と、声を出したら、おじいちゃんは、びっくりして、「なんだ、ここにいたのか」と.言うと、少女が、お母さんの絵に囲まれて寝ていたことに、気づき、悲しく思った。


お面を、取りに来たことも忘れて、少女の横に座ると、お母さんの絵を、一枚一枚、教えて行った。


少女は、おじいちゃんにピッタリくっついて、絵を見ながら、話を聞いていた。そのうち、少女は安心してか、また、眠ってしまった。


おじいちゃんは、少女を、その部屋のソファに横にさせると、毛布を持って来て、そっと掛けた。

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