第7話

おじいちゃんは、少女が、ベッドで寝ていないので、どこに行ったのかと不安になった。


「森かもしれない、あの子は、森を気に入っているから」と、森の中へ入って行った。


すると、森がサワサワと、木々が、揺れ出した。少女は、おじいちゃんかも、と思い、急いで森を出ようと家まで、走って行った。

その途中で、おじいちゃんとかち合った。


おじいちゃんは、驚いて「心配するだろう、これからは、どこに行くか、言って出かけなさい」と、言うと、二人は、家に戻った。



おじいちゃんは、最近の孫の行動が気になり出していた。

何気に聞いても、「内緒!」と、言うだけで、教えてくれなかった。


調べようか、それとも、孫を信じ、見守ろうか、悩んでいた。


結局、孫に弱い方が、勝って、おじいちゃんは、見守っていこうと、気持ちが、固まった。



スケッチブックは、相変わらず、どのページも、白かった。


描いても描いても、絵が消えてしまう。


優しい熊さんは、いつも一人だった、少女は、家族をつくろうと、もう一人熊を描いた。

すると翌日、いつも1人の熊さんが、二人で、仲良く歩いている姿を見るようになった。


少女は、 いろんな動物を描いた。

友達のいなかった、少女には、とても優しいスケッチブックだった。


自分の描いた絵が、スケッチブックから、飛び出してくるのは、彼女には、何よりの楽しみ、だった。


試しに、こびとを描いて見た。すると、次の日に、ベッドの上に、ぴょんぴょん跳ねて、遊んでいた。


こびとは、七人描いた。


だから、ベッドでは、こびとが、賑やかで、その姿をみているだけで、彼女は、楽しかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る