第5話

そして、絵を乾かすために、スケッチブックを出窓に置くと、夕飯を、食べにダイニングに行った。


少女は、ウキウキしながら、おじいちゃんに腹が立っていたことも忘れ、ニコニコ食事を食べた。


おじいちゃんは、子供が、コロコロ変わるのは、年頃なのか?と、思いながら、孫をみていた。


ご飯を食べ終わり、片付けると、少女は、ワクワクしながら、部屋へ戻った。

と、そこには、見たことのない、彼女が、空想して描いた鳥が、ベッドの上で寝ていた。

その鳥は、白鳥をちょっと凝って、孔雀を混ぜた様な鳥だった。


床には、タヌキが、ゴソゴソ動いていた。

色は、黄金色で、タヌキと言うより、狐の様な色合いだった。


彼女は、喜んで、そっとスケッチブックを、見てみた。すると、昼間に描いた、お花も、キノコもなかった。そして、全部をめくると、真っ白い紙だけだった。


「明日、森に見に行こう!」と、決め、今晩は、この子達と寝よう。と、ベッドの端にのると、鳥を囲むように、寝転がった。


そして、翌朝、彼女は、ドキドキしながら、目を開けると、鳥とタヌキは、昨日と、変わらず部屋の中にいた。


少女は、喜んで、出窓の窓を開けると、鳥もタヌキも外へ出て行った。


そして、少女も、急いで、森に行った。

奥に入って行くと、そこには、大きなキノコが、幾つもあり、とてもカラフルだった。


「すご〜い!大きなキノコだ!かわいい〜」と、とても楽しい気持ちになった。


「このキノコの中に、部屋作れないかな?」と思うと、スケッチブックを、取りに家に戻り、手に持つと、急いで、キノコのところまで戻った。


そして、キノコの中を、穴を開けて、くり抜いた形を描いて、中に、テーブルと、イスを、描いた。窓も作り、そこまで描くと、一息して、

大きな木もあったらいいなと思い、大きな木を描いて、木の上に、家を描いた。そして、屋根と床と階段。


彼女は、そこまで描くと、家に急いで帰った。


おじいちゃんは「朝飯も作らず何をやっているんだ!」と、叱ったが、今の少女には、通用しなかった。


絵の具や、筆などを持つと、彼女は、キノコの中を塗り出した。キノコが、終わると、木の家をぬりだした、黙々と塗っている姿を見たおじいちゃんは、「子供だから、仕方ないか。趣味が出来たことは、いいことだ」と、思い、気長に見守ってやろうと思った。


少女は、塗り終わると、出窓に置いて、乾かした。その間、森を探索していた。


少しすると、お腹がぐーぐー鳴り出し、朝ごはんを食べていないことを、思い出した。


少女は、ダイニングに行くと、おじいちゃんが作ったご飯が、用意されていた。


少女は、その時にやっと、今日はあたし、何もやってない。と、気づき、食べ終わると、片付けて、ヤギや牛がいるところへ行くと、もう小屋の掃除もミルク取りも終わっていた。畑に行くと、おじいちゃんが、新しい苗を植えようと、耕していた。

少女は、洗濯と掃除を思い出して、家に帰った。そして、まだ、やってないとわかると、洗濯をしに、井戸まで行って、始めた。ギュッと絞ると、カゴに入れて、庭に干した。


そして掃除を始めた。一通り終わると、やっと一息付けた。

おじいちゃんも、畑から帰って来て、二人でミルクをあっためて、飲んだ。


無口なおじいちゃんだが、珍しく「お前は、なんか楽しいことでもみつけたのか?」と、少女に聞いてきた。少女は、「内緒!」と、一言言うと、「今日ごめんね。また、ちゃんとするから」と、言うと、「よく考えれば、お前は、友達がいても、遊びたいことがあっても当たり前だ。わしも手伝うから、お前もやりたいことをやりなさい」と、言うと、少女は、とても嬉しくなり、おじいちゃんに、抱きついた。おじいちゃんは、恥ずかしくなり、照れながら、少女の頭を撫でた。

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