神の思い2
私の信者たちが、他の神々の信者に殺されていた。
ある人は生きたまま火あぶりにされていた。足元からとろ火でじわじわ焼くようにして、決してすぐには死ねないように。
別のある人は両足を牛が加えた縄で縛られ、引きちぎられた。
「新参の神が俺らの信者奪うとか、生意気なんだよ」
「ていうか、あいつもともと弱っちかったじゃん。殺してよわよわから解放してあげたんだから、うちら感謝されるべきだよね」
「それな」
「マジウケる~」
「www]
私が駆けつけた時には、すべてが終わっていた。私を信じてくれる人たちは森や山奥に小さな集落を作ってひっそりと暮らしている。
私が、静かなところが好きだから。騒がしいのは嫌いだから。
遊ぶところなんてほとんどない村だけど、子供たちの笑い声や畑を耕す鍬の音、荷を運ぶ牛や馬の鳴き声が私は好きだった。
それがすべて奪われてしまった。
私の目の前に広がっているのは、無残に殺された村人の死体といまだ煙を上げる家々の残骸、そして血の匂いだけ。
どうして? どうしてこうなったの?
村人が神々を怒らせたから?
私が、神々に無礼な態度を取ったから?
違う。
私が、弱いから。
他の神々だって信者の取り合いはしてるけど、ここまではされてない。
「ごめんね、ごめんね」
私は泣きじゃくりながら、遺体を埋葬して壊された家を片付けた。
でも数日後には、遺体は掘り起こされて野良犬の餌にされ、瓦礫を取り除いて綺麗に均した土地は再び荒らされていた。
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