第二章 大胆は無知と卑劣の子であって、他の資格よりもはるかに劣る②
次の日朝起きると、ホールデンの
依頼内容 『新入社員とお仕事! チェルシーの職業体験!』
補足 その際降りかかる全ての
依頼額 1000万ルード。
芸能系
やはり今をときめくトップアイドルは違うなと思うホールデン。
テンションを上げつつ2枚目に目をやる。
依頼者 アンディ・ギャノン。
依頼内容 アンディ・ギャノン氏が飼っている、アーカウリの搜索。
概要 昨日未明、アンディ・ギャノン氏が飼っていたアーカウリが
を依頼された。傷をつけずに
補足 アーカウリは夜行性の動物であり、昼の間は景色と同化し発見は困難。体長は1メートル。名前は『リンリン』。
夜間搜索
依頼額 50万ルード。
アーカウリとは、クートヴァスで人気の
搜索の時間は夜間推奨と
「はぁ……
ホールデンは深々とため息をつく。すると、扉の方からノックが聞こえてくる。
「……ホールデンおはよう」
「なんだティアか。どした?」
ティアは
「……専務のメール見た」
「ああ、ちょうど今見たとこだ」
「そう……」
「?」
ティアは歯切れ悪く言うとそのまま
「なんか用があってきたんだよな?」
ホールデンがそう言うと、ティアは自分の服の
「……メールにあったライブの前に……ランチ……
「昼飯? あー……」
ホールデンは言い
一ヶ月の生活費は1ルード単位で計算されており、ここでランチにお金を使ってしまうと、計画したものが
ホールデンが
「……私とじゃ……イヤ?」
「いや、お前がどうとかじゃなくて金がなぁ……」
「……お店は予約してあるから、元々私が出そうと思ってたけど?」
「すぐに
出す、という言葉が出た
ホールデンはウキウキで準備を始めた。
鼻歌まじりで外着に
ティアかと思い、扉を開ける。そこにはメグが立っていた。
「アンタ、カースティさんのメール見た?」
「おう。見たけど、どした?」
「そ、そう……」
ティアと同じように歯切れ悪く黙ってしまう。よく見ると、普段とは違い可愛らしい格好をしていた。こちらもどことなくチェルシーが着ていた服に似ていた。
「ちょっと急いでるからなんか用があったら手短に
ホールデンがそう言うと、メグは自分の服の裾をぎゅっと握り意を決する。
この光景、先ほども見たなとホールデンは思った。
「あ、アンタどうせ借金返済で全然お金ないんでしょ? だから、その……ライブの前に……私がご飯ご
「昼飯? あー……」
先ほどと全く同じリアクションをするホールデン。ただ、今回はお金がないからではなく、すでにティアと約束をしていたからだ。
(……まじかよっ! なぜ同じタイミングで
そこで、
(食い
その計算は色々な意味で破綻しているのに気がつかないあたりがホールデンだ。
(しかし、どうやって2人と同時に飯を食うかだよな……)
「……ど、どうなのよ?」
ホールデンは一つの答えにたどり着くと、ニヤリと口を
「もちろん行く! 申し訳ないけど、食いたい飯があるから店俺が決めていいか?」
それを聞いたメグの顔はパッと
「しょ、しょうがないわね。選ばせてあげるわ。どこのお店なの?」
「準備もあるからメールする! で、直接店で落ち合おう!」
「わかったわ。それじゃ後でね」
そう言うとメグは
「フハハハハ! まとめて二食分の飯が食えるぜ!」
部屋の中で一人、ホールデンは笑いを
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます