第一章 偶像少女は夢を見させない③
そんな
「ヴィンセントさん、おたくの
ヴィンセントはプカプカと
「ははは。バージェスさん。こいつらだったら貴社の条件である〝アイドルに興味がない〟〝新人〟〝強い〟を満たしている」
その言葉にジェフは
「この色ガキが?」
「社長、彼は
ノーマンが
「……まぁ君がそういうのなら信じようじゃないか」
ノーマンはこの
「ンで、こっちのカワイコちゃん2人はメグ・フラワーズ、ティア・ラブ・ヒューイットで、こんなに
ヴィンセントは短くなった煙草を空中に
「こちらのお
ジェフはメグとティアを好色そうな瞳で、
2人を見るチェルシーの笑顔に
「で、社長。俺らを呼んだ用件はなんだよ?」
「ああ、それはティーちゃんから説明してくれ」
ティーちゃんと呼ばれ、
「ここにいるアンダーハート嬢が、ある番組の
「なんで、アイドルに興味がない新人なんですか?」
すると、カースティは一枚の
「『新入社員とお仕事! チェルシーの職業体験!』?」
そこに書いてある企画名を読み上げるホールデン。
「そうだ。なので新人ってことが条件で、強くないといけないのはいざという時に対処できないとアンダーハート嬢を守れないだろう」
「ああ、確かにそうですね。けど、アイドルに興味がないっていうのは?」
そこまで言うとジェフが
「ウチの看板であるチェルシーに手を出させないようにするためだよ!」
「まぁまぁ社長。あのヴィンセント・ラロケット様が
ノーマンがジェフをなだめる。
「……ふん」
短気だがノーマンの事はかなり認めているらしく、何か言われるとすぐに大人しくなる。
話が中断していたので、カースティは一つ
「……話を
カースティはつかつかと
「うわっ!」
すると、何人もの男性社員が社長室に
「おい……」
「ひぃぃぃ!」
その社員のほとんどはカースティの表情を見ると
「ああいう奴らにこの仕事は任せられないからだ」
ため息を
「ああ、そういうことですね」
ホールデンは理解した。確かにあんなミーハーな社員にこの仕事を任せられないと。
「いててて……」
一番下で
「ジェンキンソン……貴様……何をしている」
「あはは!姉さん、そんな表情してるとまたシワが増えちゃうよ!」
その社員はとんでもないことを言う。すぐさまぶん
ジェンキンソンと呼ばれた社員は、チェルシーのそばまでやってくる。
「ひゃ~! 実物は
「ありがとうございます。ブライアン・ジェンキンソンさん」
名前を呼ばれキョトンとするブライアン。
「あれ? 俺っちのこと知ってるの?」
「それはもちろんですよ」
「あはは~! さすが天才の俺っち! 今をときめくアイドルにも名が知られてるなんてなぁ~! ねぇねぇ、チェルシーちゃん! レイラたんも俺っちのこと知ってるかな? 俺っちベイビーメイカーの中でレイラたんが一番好きなんだよねぇ~」
くねくねと気持ち悪い動きをするブライアン。しかも、他のメンバーが一番好きと
「レイラさんですか? 今度聞いておきますね!」
しかし、そんな失礼なブライアンに気を悪くした様子はない。
「ジェンキンソン、そこまでにしておけよ……」
後ろには
「おっとと~! こいつはまずいねぇ! それじゃ、チェルシーちゃんまったねぇ~」
「な、なんなんだ……あの人」
ブライアンの勢いに面食らうホールデン。
「あれが
ノーマンは興味深いといった
「お見苦しいところをお見せして申し訳ない。ジェンキンソンの方には私から強く言っておきますので」
カースティはため息まじりでノーマンに謝罪をする。
「いえいえ、お会いできて光栄ですよ。『
ブライアン・ジェンキンソンは〝神の頭脳〟と呼ばれる【
今やルードワルドで一家に一台以上
「はぁ、想像通りとおっしゃいますと?」
「何かに
淡々と語るその口調には妙な説得力がある。
「……そうかもしれませんね」
カースティは自社の
「すみません。また話がそれてしまいましたね。要するに、ウチのチェルシーをドハーティさん達の班に入れていただき、
ノーマンはホールデン達3人に
「……ってことは仕事をしつつ、この依頼もあるわけだから2倍
ホールデンが目をルードマークにしてノーマンに
「この
カースティはさすがに耐え切れず、ホールデンの頭を
「ははは、ラロケット・インクさんは優秀な方々が多そうで何よりです」
「これが優秀ですか……」
メグはゴミを見るような目でホールデンを見ながらつぶやく。
「ドハーティさんは中々に壊れていそうなので、私からしたら優秀だと思いますよ」
「こりゃまいったね。やはり見る人が見たら、俺の有能さがばれちまったか!」
「壊れているって言われて喜んでんじゃないわよ!」
メグはホールデンの頭をカースティと同じ位の力で叩いた。
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