第二巻 第一章 偶像少女は夢を見させない
第一章 偶像少女は夢を見させない①
「暑い……それに腹減った……」
4つある太陽の内、夏を
「はぁ……にしても1日23万301ルード
時間は昼時。いつも通り、定食屋の
「だ、だめだ……暑すぎて
横には広告用の
『ベイビーメイカー、チェルシーも大満足! 多頭牛使用の
映像から
「はぁはぁ……ジュルルルリ……」
腹が減っているという事情を知らない人が見たら、
「おい貴様!」
と、そんな状態のホールデンに
「……なんだよ?」
ホールデンは腹が減り、気が立っていたので雑な返事をする。
「貴様! 我々のチェルシーちゃんをイヤラしい目つきで
小太りの男が息巻きながら
そいつらの格好を見ると全員、先ほどコマーシャルに出ていた女の子の絵がプリントされた服を着ており、頭には『チェルシー命』と書かれたハチマキをつけていた。
「いや、俺はこの肉丼を……」
「だまらっしゃい!貴様のような気持ちの悪いチェルシーファンを許さないのだ!」
会話が成り立たずイラつくホールデン。
「つか、
小太りの男は鼻息を
「貴様、しらばっくれるつもりか! このクートヴァスにおいてチェルシーちゃんを知らぬ男などいないはずないだろぉ!」
「いや、俺はこの国に住んでる男だけど一切知らん!!」
ホールデンは
するとその小太りの男はたたみかけるように
「そんな
鼻息荒く喋る小太りの男。カバンからそのアイドルの写真を取り出すと
「この愛くるしい
流石のホールデンでもそいつの行動に
「つか、愚かでも見とれてもいねーし」
「ふん。以後、貴様の
言いたいことだけ言うとその3人はホールデンの前から去っていく。
「な、なんだったんだあのアホ3人は……」
気をとりなおして
「花より
匂いを嗅ぐ《ランチ》をしながらホールデンは
「高額の
ホールデンが開いたページは、クートヴァス・インクが公式に出している
「第一級
他にもいくつかの億
「はぁ……
ため息混じりにつぶやくホールデン。第一級犯罪者となればジョン・ドゥ・インクの正社員クラスを
「この暑いのによくやるわねアンタ……」
ホールデンが匂いを堪能しながら
「……そう思うならこの
「……あれは勝手にアンタが
「おごってくれないなら俺の行動に文句つけるなよな!」
「はぁ……アンタ、一応有名人なんだから自分の行動を考えなさい」
ホールデンはクートヴァス美少女連続
「うっせ!お前は俺のかぁちゃんかっての!」
メグはホールデンの頭を思いっきり
「ってぇな! 文句があるなら口で言えよ!」
「うるさいわね! アンタにはデリカシーってものが
思ったよりも強く殴られ、頭をさするホールデン。
「つーか、昼時に何の用だよ?」
「仕事じゃなきゃ、見すぼらしい行動をしているアンタに話しかけるわけないでしょ」
ホールデンは見すぼらしいと言われ、小さく「大きなお世話だっての」と
「メッセージ見てないわよね? 社長とカースティさんが呼んでいるわ」
「メッセージ?」
ホールデンはそう言うと
『差出人 カースティ・ロレンス 内容 昼時にすまない。
「呼び出しか……俺、なんかやったっけかな……?」
「その理論で言うと、私も何かやった事になるから
「だよな。お前とティアが何かやるわけないし、それにしても一体なんの用なんだ?」
「私も今呼ばれてるんだから分かるわけないでしょ」
メグはそう言うとホールデンを待たずに
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