第六章 世界は割れ響く耳鳴りの様だ⑨
その言葉がきっかけで目の前の空間にひびが入り、割れ目が出現する。そこから
「この街の人間共だ! 俺はこれからこいつらを殺していくが、そうしたらお前はどうするんだ?」
数百人はいる。住民達は、いきなり外に出て
「ハハッ!」
(どうする……俺……)
ホールデンが
「
「リ、リチャード!」
(だ、だめだ!
ホールデンが死を
「ハハッ!」
「ぐぎぎ……な、なんで……?」
リチャードは
「はははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!」
サリーがリチャードに鞭剣を
「お前……どうして俺を助けた?」
「ハハッ!
「はぁ~今日は
サリーはそういうと、外に向かって歩いていく。
「
ホールデンは
[世界の
詠唱が終わると、小刻みに地面が
《
スキル名を発音した瞬間。
「ハハッ! こりゃ困った! すげースキルだなぁ」
話す内容とは裏腹に、サリーは心底楽しいといった表情だ。
《
揺れは激しさを増し、建物自体が
「フラワーズ、ティア!」
ホールデンは2人にかかっていたスキルを《
「こんなに
「あんたバカじゃないの!!」
「……ホールデン、おっちょこちょい」
その間にも洋館の天井は
「どうすんのよ!」
「どうしようかね……」
「……ホールデン、のんきすぎる」
ホールにいる人間もパニック状態であった。
「【賢者】なんだからなんとかしなさいよ!」
そこでホールデンは気がつく。
「そうだ、転移スキルがあった!」
「……あんた本当に【賢者】なの?」
ホールデンのあまりのヌケ作ぶりに疑問のまなざしを向けるメグ。それに文句を言うひまもなく、ホールデンは急いで詠唱を開始した。
「お前ら全員手をつなげ! 転移するぞ!」
転移スキルは体に
その声に反応しないサリーにホールデンは声をかける。
「……おい! サリー
しかしサリーは、そんなホールデンの救いの手に何の反応もしない。
「おい!!!」
再度呼びかけるホールデン。
「あ■■は■っ■■■■■っ■■はは■い■■っ■■■ひ■■■っ■■っ■■は■はっ!」
サリーはホールデンの
それを聞いた全ての者は、
「もう限界よホールデン!」
と、メグが
いよいよ天井が
「サリ───────────────!」
ホールデンの叫びも
もう、無理だ。そう判断したホールデンは、仕方なく転移スキルを発動する。最後の瞬間までサリーは笑い続けていた。
そして、ホールデンたちの目に
ガヌーブの街全域が崩壊していた。
それを見たメグとティアはつぶやく。
「無茶苦茶じゃない……」
「……
その光景に2人は絶句していた。
「サリー……あいつなんで手を摑まなかったんだ」
「……アンタが気に
メグは落ち込むホールデンに
「わかってるけど、それでも……」
ちょうど空には春の太陽が
◆◆◆
それにティアが細かく説明をした。
一方ホールデンは、
しかし治安維持部がスキルで瓦礫を全てどかしたが、そこにはサリーの死体はなかった。ふと、先ほどの不気味な哄笑が聞こえた気がした。もちろん
その後、クートヴァス城にメグを連れて行くと、
「あぶろあらぐぉっああああおおおおおササッききキキききききあああああああ!」
と、国王は訳のわからない
ホールデンとティアはそこで
「ぜひ、礼をさせてくれ」
国王が意識を取り
ホールデンとティアは
2人はサリーの
一通り報告を終え、部屋から出ようとした時に、
「ホールデン、お前の価値見せてもらったぜ」
ヴィンセントは
「……社長、ここは
カースティの小言が始まると、ヴィンセントは笑ってごまかす。長くなりそうだったのでそそくさと部屋から出る2人。するとメリーをはじめ、社員達が2人の報告に聞き耳を立てており、うるさいくらいの
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