第六章 世界は割れ響く耳鳴りの様だ⑧
ティアは女の子達を外に逃がした後、戻って来てメグと合流した。
「……
「……うん。大丈夫。ありがと」
《
「……無事でよかった」
ティアは
「あいつがさっき使ったスキル……」
メグはホールデン達の戦いに視線をやると小さく
ティアは
「……!」
その
「……これ見て」
ティアは
「何……これ……」
・ホールデン・ドハーティ
【
ステータス 力 3211 防 9888 速 8776
失われた
それはにわかには信じられないことだった。ホールデンは《
「一体どうして賢者に……」
「このスキル……」
あまり感情を表に出さないティアだが、そのスキル
特殊スキル 《
効果
発動条件 1《
2
制限 1 スキル《
2
スキル欄を見たメグも驚きを
それもそうだろう。
ホールデンが新たに発現したスキル《
「《
メグはティアの言葉でハッとした。【賢者】が失われた
「そんなすさまじいスキルなんて……」
「……ホールデンはやっぱりこうでないと」
ティアは自分のことのようにホールデンのステータス値を見て喜んだ。
◆◆◆
「ハハッ!」
「【賢者】に
サリーは
「……面白いだと?」
ホールデンは目の前の友人だった者の言葉が理解できない。
「面白いに決まってるだろ。さっきまでは、どう転んでも俺の圧勝だったが、今は俺が不利になってるかもしれない。後の展開が全くわからないんだ。たとえ俺が死ぬ事になっても、そこまでが1つの喜劇だろうな」
「……これだけ準備して計画を立て、実行したものを
「計画が
「……イカれているなお前」
「俺がイカれてる? ハハッ! 俺は、俺こそが最も
その瞳は
「……お前と問答をしてもなんの意味もない」
ニヤリと口角を
再度、ティアとメグは《
「っっ……!」
《
「こいつをお前の目の前で切り刻んだら、さぞお前は
「……
「ハハッ! お前の買った指輪の価値をなくしてやるよ」
サリーは
「や、やめて……それは……」
メグは必死に声を
だがナイフよりも早く、ホールデンは
[方法はいくつかある。しかし、結局どれを選んでもそれは最終的に俺のやり方になる]
《
スキル名を発音すると、どこからともなく場違いな音楽が流れてきた。
「はっ!」
その音に合わせてホールデンの体はリズムを刻む。
「お、お、お、お、おおおおおお!」
その瞬間、サリーはナイフを投げ捨て、強制的にホールデンと同じリズムをとる。
サリーは己の体に起こった現象にひたすら
「この《
そう言いながら、
「もう終わりだ。お前が何をしようと、俺は後の先を確実に取る事ができる」
「ハハッ! 最高だ! こんなに楽しいのは久しぶりだ!」
本心からその言葉を吐いている笑みであった。
「もっと俺を笑わせてくれ!」
サリーの
[開け]
サリーは指を鳴らす。
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