第六章 世界は割れ響く耳鳴りの様だ⑤
「てめぇええええええええええええええええええええええええええええええええええ!」
ホールデンは剣を握りしめると
「どこの
リチャードは急に現れたホールデンに対していつもの下品な口調に戻り、現れたことにはさして
「ここにいる子達を返してもらうぞ……クソ
演技っぽく肩をすくめるリチャード。
「何だ、お前もこの女どもを買いに来たのか。なら金さえ
さらってきた女の子達を物
「お前みたいな三下が、こんな大それたことできないだろ。バックにいる奴は誰だ!?」
ホールデンの
「はっ!
「そいつは誰だ!? なんでこんな事をする!?」
「おいおい、質問ばっかだな。それに『なんでこんな事をする!?』だって?」
「お前は馬鹿か。この世界で物を売る理由なんてわかりきってる。金に決まってるだろ。あんなしょぼい街でシノギしてるよりこいつらを売っぱらった方が早いのさ」
笑い続けるリチャードにホールデンは意思の
「お前はもう
「はははっ!
「喋るなっつってんだろ!」
ホールデンは剣を大上段に構え、リチャードに
[私は天に
《
剣に
会場は
[
誰も逃がさないと言わんばかりに後方からサリーの
《
スキル名を発声すると、ホール全体に青白い電流が走る。その電流を浴びた仮面の男達は
ティアは
[
《
リチャードの部下の悲鳴が聞こえる。視線をそちらに向けると
(あれは……
ノアは
スキルから察するに彼ら3人の
彼らが味方として動いてくれるのはこの上なく心強い。
そこでホールデンの《
メグは目の前に現れたホールデンの背中を見ると、先ほどまでの
「おい!
ホールデンは磔られているメグに
「な、何しに来たのよ……」
が、メグは身を
「いや、何しに来たも何も見ればわかるだろ! 助けに来たんだよ!」
「私はアンタみたいな軽い男に助けてもらいたくない!」
「あ、あの時のアレはなんというか……ちゃんと説明させてくれ……というか、今こんなやりとりしてる場合じゃねーんだから大人しく助けられてろよ!」
ホールデンは酒場での事を思い出し非常にバツが悪くなるが、一刻も早くここからメグを助け出すのが先決なのでその感情を押し殺す。
「うるさい! 私を助けに来たのだってどうせお金が目当てでしょう!」
「ああ! そうだよ! その通りだよ! 何か文句あるのか!? 助けに来た事には違わないだろ! 大体お前さっき泣いてたよな!」
「な、泣いてなんかあらへんもん!」
「いいや、泣いていたね!」
ともすれば
「そもそも、お前ほどの
「……それなんだけど、
「あいつ? もしかして、リチャードを裏で
「気づいていたの? そう。リチャード・ケリーが
「顔とか見たのか?」
「それが顔を
「目印?」
「そう。目印。倒される前に私のスキルでそいつの右腕に傷をつけてやったの。切り傷は
「それだけじゃ見分けるの難しいだろうな」
そういえばと、ホールデンはサリーも右手を
「ホールデン
メグは大声で叫んだ。
瞬間、ホールデンの腹部に燃える様な痛みが走った。
「えっ……」
ゆっくりと視線を
「ぐはっ!」
ホールデンはたまらずその場に崩れ落ちてしまう。
メグの
「■■は■っ■■■■■っ■■はは■い■■っ■■■ひ■■■っ■■っ■■は■は
っ!」
形容しがたい哄笑が場を支配し、その声の出所はサリーであった。いつもの
「
サリーの
「な、なんで……」
ホールデンの腹からは血が止めどなく流れているが、急所は外されていた。
サリーの
[他者を非難するその指は、本当に非難できる指なのか確認しろ]
《
それを
「ハハッ! 笑えるもん見せてやる……3……2……1……」
ひたすら笑い続けるサリーに3人の
[神は人の上に人を創らず、人は人の上に人を作り出す]
《
「0! ハハッ! 最高だろ!
サリーがそう言い終わるか終わらないかの
[一の罪は、千の善行にて
《
「対象者──サリー・バーンズ 罪状──」
そこでティアの言葉は不意に止まってしまい、強く
「罪状が……ない?」
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