第六章 世界は割れ響く耳鳴りの様だ④
「さぁ! それではどんどん次に行きましょう! 次は──」
「それでは、今宵12人目にして大トリの目玉商品の登場になります!」
リチャードが興奮を
「さぁ! こちらがその目玉商品! クートヴァス王国第57代目国王ノア・フラワーズの1人娘、メグ・フラワーズです!!!!!!!!!」
鎖につながれたメグは力なく、されるがままになっていた。
ホールにいる男共は
「こちらの商品には100億ルードの身代金を要求しておりますので、100億ルードからのスタートになります」
ホールデンはおもわず見を乗り出し、ホールにかけ出しそうになるが、直前でサリーに制止された。
「……くそったれが」
100億ルードというすさまじい値段なのでこれは入札が期待できないのではないかと、リチャード達は考えており、最悪国王にメグを引き渡し、100億手に入れる算段であった。が、そんな考えを裏切るかのようにポンポンと値段がつり上がっていく。
「120億!」
「130億!」
「180億!」
まだまだ上がりそうであったが、1人の男の声で
を告げた。
「1000億」
あれだけ獣欲の叫びで
「……1000億?」
リチャードはその額に目を丸くした。そんな額は想定の
「そ、それでは1000億という金額がでましたがそれ以上はありませんか?」
それ以上でないとわかっていながらも、形式的に声をあげる。やはり、1000億以上出せる者はおらず、そのまま落札の運びになった。
「では99番様こちらの方で商品のご確認を」
99番の男は静かに
「
(1000億ルードだと……そんな額こんな場所でポンと出せる
ホールデンが内心そう考えていると横から小さな声でサリーが話しかけて来た。
「……きっとあの男はどこかの王族だろうね」
「……ああ。そうだろうな。それにしてもこんな大規模なマーケットを開けるような奴だったのか? リチャード・ケリーは」
「……きっと裏で糸を引いている奴がいると思う。そいつがどこに
「そうだな……」
人が多過ぎて、どいつがこの悪夢を開いた黒幕なのかわからなかった。
「ホールデン君、客が全てはけたらすぐに助けに行けるように、君の《
「わかった。なら俺とサリーでリチャードをやるから、ティアはまわりにいる暗渠の宿の残党を
「……わかった」
ホールデンは《
[俺以外
これで準備は整った。
すると、ホールの方から歓声が聞こえて来た。3人はホールの方に意識をやると、リチャードと99番の男が舞台に
「皆様! 99番様のご
ホール内は何が起きるのかという期待感で
「ショーは、姫の
「なっ?!」
3人の
「99番様は皆様と姫をダルマにして楽しむとおっしゃっております」
メグはそれを聞き顔面が
リチャードの部下が準備を始め、
全ての準備が整うと、リチャードは
「それでは、
99番の男の表情は
「いきなり切断してしまうのもなんなので、まずは……」
リチャードの
「くっ……」
「「「「おおおおおおおおおっ!」」」」
あられもない姿とその表情が、男達の欲望を
「さぁ
そうリチャードが観客に言うと、メグの耳元で絶望的な言葉をささやく。
「切り落とした両手、両足は
その言葉を聞いたメグは、目に見えて表情が
「お、お願い……
自分の手足が届けられれば両親は
その
99番の男も
「さて、盛り上がりも最高潮になったところでいよいよお待ちかねの四肢切断ショーに移って参りましょうか」
剣を大上段に構えると、メグの
「だ、
そのか細いメグの悲痛な声が届いたのかは定かではない。1つ言える事は──
そこが、ホールデン・ドハーティの限界であった。
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