第六章 世界は割れ響く耳鳴りの様だ②
あれから6日が経過した。そして時刻は23時を過ぎたところだ。後1時間もすれば期日の1週間がやってくる。方々をあたってみたが、成果は
「お疲れ様、ホールデン君。そっちは何かわかった?」
サリーも部屋に戻ってきており、
「いや……そっちは何かわかったか?」
ホールデンはベッドに
「うん。わかったよ」
予想外の言葉にホールデンはとびおきる。
「一体何がわかったんだ!?」
「何も手がかりを得られないということがわかっ……」
スパーン!
その
「いたたた……本気で叩くんだからなぁ」
「
「うーん。冗談のつもりはないんだけどね」
サリーは頭をさすりながら非難の色を
「何もわからない事がわかるっていうのも大事だよ。この6日間、色々な可能性を
「色々なスキルって、どんなスキルだよ?」
ホールデンは自分が
「主にサーチ系のスキルだね。ただ、
2人に沈黙が落ちる。
「……サーチ系?」
と、そこでホールデンは気がつく。むしろなぜ今まで気がつかなかったのか不思議であった。【遊び人】のスキル《
《俺の物は俺の物》
「ホールデン君、詠唱なんてしてどうしたの?」
「いや、ものは試しって言うだろ。《
「まぁそうだね。やってみるといいよ」
サリーは
ホールデンはスキル名を発動すると
「……!」
第4区画に1つ点が
「……やったぞ」
「何がやったの?」
ホールデンは
「この点が指し示すのは俺がフラワーズに買った指輪だ。何で俺がアイツに指輪を買ったのかは省かせてもらう。この場所にフラワーズがいるはずだ」
サリーはいつもの笑顔を
「どうしたんだ、サリー?」
「……僕があれだけ色々調べてわからなかったから、ちょっとびっくりしてね」
「まぁそれだけ俺の力がすごいってことだな」
「うん……。本当にそう思うよ……」
サリーは
「どうしたんだ?」
その様子がおかしかったのでホールデンはサリーに
「いや、なんで指輪なんてメグさんにプレゼントしたのかなぁと思ってね」
「プ、プレゼントじゃねーよ! あれは単純に俺の運が悪かっただけというか……」
「
「おいっ! 何
先ほどのサリーのおかしな雰囲気はいつの間にか消え、いつも通りになっていた。
「それで、どうするつもりだい? 今日はもう
「今すぐ助けに向かうさ」
「そう……だよね……」
「お前も来てくれるだろ?」
「それはもちろんさ。メグさんは大事な仲間なんだからね」
「……先に言っておくが、
相も変わらずがめつい顔でサリーに言った。サリーはそれに対していやな顔1つするどころか、満面の笑顔になる。
「お金なんていらないから、代わりにティアさんを
「……確かにな。けど、お前は本当にそれでいいのかよ?」
「僕はお金よりメグさんを助けたいと思っているんだからね」
「お前がいいって言うならいいけど……」
「それなら僕がティアさんに
サリーは
「同じ寮なんだから直接行った方が早いんじゃないか?」
「そうだけど、この時間にいきなり女性の部屋に行くのはマナー
「……そういうモンなのか。じゃあ
「うん。やっておくよ」
サリーはそう言うと指を走らせ、
何を書いているのか、送るのに少し時間がかかっていた。
「送ったよ」
「女に連絡するからって時間かけすぎだろ」
「事情を説明するのに少し時間がかかったんだよ」
「そんなの来てから言えばいいのに」
それに困った様な笑顔を浮かべるサリー。
「僕の性格的な問題だからごめんね」
そんなやり取りをしていると、勢いよく
「……ぐずぐずしてないで早く行こう」
そこにはティアが立っており、いつも通り
「すぐに行くのはいいけど、
ティアは自分の格好を見ると、顔を赤らめ部屋に
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます