第五章 Wave Of Mutilation②
今いる
「ここにいない者にも後で通達するが、先ほどヴァリス・ラニスター氏から
課長がそういうと、
依頼者 ヴァリス・ラニスター。
依頼内容 アリア・ラニスターの奪還。条件 アライブ オンリー
補足 ここ数ヶ月で起こっている連続誘拐事件との
依頼額 5億ルード
「かわいい子だね」
サリーはホールデンに耳打ちをした。
しかし、ホールデンはその美少女よりも書かれていた依頼額に目を見張った。
5億ルード。これはホールデンが入社してから最高額の依頼であった。5億以上の依頼ということは仮に1人で達成なんかした日には、5000万ルードが入る計算になる。
「現状、社長を
「それにしてもすごい依頼額だね」
「5000、5000、5000……」
ホールデンはサリーに話しかけられているのにも気がつかずに、自分が成功した時の額を連呼していた。それを見たサリーは
「……ホールデン」
いつの間にか現れたティアがホールデンの服の
「5000、5000、5000……」
「……ねぇってば」
さらに強く引っ張るとようやくホールデンはティアに気がついた。
「なんだよ?」
「……私も美少女だから誘拐される危険があると思う」
「ええっと……
ホールデンはキョロキョロとワザとらしく周りを
「……私に決まってる。この
いつも以上に
「いや、お前を誘拐しようとする命知らずはそういないと思うけどな」
ホールデンの
「……私、か弱い美少女なのに」
「いでででででででででででででででででででででででででででででででででで!!!!」
ティアは力任せにホールデンの太ももをつねった。
ホールデンは身を
「か弱い美少女はこんなコトしないっての……」
太ももをさすりながら非難の声を上げた。
「もし、私が誘拐されたら……ホールデンは助けてくれる?」
ティアは
(や、やばい……《
ここ3ヶ月でなんとか《
「君がそんな事になったら僕はいても立ってもいられなくなるさ。この身が引き
(ああああああああああ。相変わらず脳みそが
「……本当に?」
ティアは小首を
「もちろんさ!」
ぐっと親指を立てて快活に言う。
「……私を助ける事もできないなら、私の家に
(誰も
心の中でそう思ったホールデンとは裏腹にジゴロVer.は、ティアの
「……
ティアは視線を
「あぁ……なんて愛らしく、いじらしい小鳥ちゃんなんだろうか。僕の中の君に対する
ホールデン・ジゴロVer.は
「……なら、早く貴方の力を提示して」
「すぐにでも!」
ホールデンはもう1度親指を立てる。
「……別に、アンタがいちゃつくのは勝手だけど、時と場所を選んでくれないかしら?」
《
「邪魔だからどっか行ってやってくれない?」
ホールデンがメグのその勢いに押されていると、ティアがいつもの調子に
「……メグ・フラワーズ。彼は今、私の家に
「ど、泥棒猫……?」
メグはなんとか体裁を整えようと必死に表情を作るが
「……ティアさん、何か勘違いしている様なので
「……なら、
ティアはさらに追い打ちをかけるように言う。
メグは
「ど、どうぞ好きなだけ、満足するまで、気の済む様にして下さいまし。私の目の届かない所でね!」
「あんぎゃあああああああ!」
フンっと鼻息
「な、なんでいつもこんな事に……」
そんな悲痛なホールデンの
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