第三章 Absolute Beginners⑧
2人はリチャードにもらった地図を
ホールデンは廃屋の中を、メグは廃屋の周りを調べる事になった。
中を調べ終わったホールデンは外に出る。すると、廃屋の裏手側から声が聞こえてきた。
「あいつ
ホールデンが裏手側へ向かうと、
「ニャ ニャ。おいでおいで」
メグは
メグの
「君はこんな
時間もだいぶ
「ニャ ニャ。ああ本当かわ……」
猫を
「……中を見たが、特に何もなかったぞ」
ホールデンはそのメグの様子に気がつかない
メグは無言で猫を降ろすと、これまた無言でその場から
「……フラワーズってさあ、猫としゃべれるの?」
メグは顔を真っ赤にし、
「ああ、そうか! にゃーにゃー言っていたけど、別にそれだけで猫と話をできると
思うのは早計か。でも、まてよ……そういった猫としゃべれるスキルってのがあるのかもしれないな。そこんところどうなんですか、フラワーズさん?」
「ウチの事馬鹿にして
メグは振り向くと言葉を乱しながら
「まあ
メグはまだぷんすかーという
廃屋の裏手から
「おいおいおい。こんな人気の無い所で何してんだぁ?」
「ナニ、ってそりゃお前よぉこんな人気の無い所でヤるにはナニしかねぇだろーよぉ」
実に
「……なんの用ですか?」
メグは一瞬で表情を険しくすると、冷静に問う。しかし、メグ自身もこれは形式的なものだと知っていた。この手合は必ずといって良い程、会話が通じないからだ。
「いや、なに。
男達は心底この
「けどまぁ、そこにいるすげー上玉なねぇちゃんには別のオシオキをしてやるけどな」
6人全員が好色な
ホールデンはメグを
「どうするんだ? いけませんよって
男達は
「イッチョマエに男を見せるねぇぼくぅ。
その上玉なねぇーちゃんを好きに使わせてやるよ
「おいおい、なんだ良くしゃべるケツの穴だな……おっと悪い。よく見たらそいつはケツの穴なんかじゃなくて口だったのか」
ホールデンが皮肉たっぷりにそういうと、場の空気が変わった。
「クソガキが……ちょーしくれやがって……」
1人の男が顔に青筋を立て
[速度こそ我が存在の証明]
一斉に
《
暗渠の宿の構成員が唱えたのは【
ホールデンはふっとニヒルな笑みを浮かべ、
「……ああ、なるほどね……全 く 見 え な い!」
お手上げだった。凄まじい速度で移動しているため、風切り音や、左右にある木や土壁を
「でかいのは口だけだったみてぇだな」
暗渠の宿の構成員達は若造2人に対して自分達は6人という
[一の破壊は悲しみを
ホールデンの後ろから力強いスキル詠唱が
ホールデンはそれを視界の
《
メグはスキル名を発音すると、
《
通常、剣と
「ば、
「……どうする、まだやる?」
メグは冷たくそう言い放つと剣を下段に構え、いつでも斬り
ホールデンは変わらずメグの後ろに
「新しいスキル……?」
スキルの
スキル 《
効果 奇妙な踊りを強制的に踊る
発動条件
詠唱文 [朝が来るまで終わる事の無い
スキル 《
効果 使用者の財産の位置を特定する
発動条件 呪文詠唱
詠唱文 [俺の物は俺の物]
(2つもスキルが発現している……さっき《
ホールデンが
(早く呪文を唱えないと間に合わなくなっちまう!)
ホールデンは《
[朝が来るまで終わる事の無い踊りを]
《
「パウっ!!!」
おまけに
メグはホールデンの奇声に振り向いた。そこには、今まで見た事が無い様な不思議な踊りを軽快に踊るホールデンの姿が目に映り込む。
「あ、アンタ……急にどうしたの……?」
「パウッ!!!」
「……何が『パウッ!!!』よ。私の
メグは話の
暗渠の宿の構成員3人は自分たちが何を見せられているのか良くわからなかった。ホールデンとメグはひたすら楽しそうにステップを踏む。
「パウッ!!!」
「ポウッ!!!」
そんな楽しそうな? 声をあげている間に暗渠の宿の構成員は
「俺の財布ぅぅぅぅぅぅぅ!」
逃げられた後も、2人のダンスはしばらく終わる事がなかった。
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