第三章 Absolute Beginners⑦
〝風の
〝風の住処〟は
「第4区画ミルドー村往きの料金は450ルードになります。往復で買うと850ルードとお得になりますよ」
チケット
「それでは往復でもらいます」
メグは
「あっ、領収書はラロケット・インクでお願いします」
しっかりと領収書をもらうメグを見てホールデンは意外だと思った。
「……何見てるのよ?」
「いや、意外だと思って。フラワーズってちゃんと領収書とかもらうんだな。俺はてっきり一国の
「……
(そういえば、金が必要だって言ってたよな。それとなんか関係あんのか?)
ホールデンはそう思い至るとすぐに口に出した。
「フラワーズも何か金を
「あなたには関係のない事でしょう。さっきも言ったけど、別に許した訳じゃないから。あくまでもビジネスライクな関係よ」
ホールデンは聞いて
「あー、へいへいそれはどうもスミマセンでしたね」
先ほどよりはマシになったが、やはりウマが合わないというのは非常にやりづらい。だが、こうして協力態勢をとれるだけいいと思う事にした。
2人は
ミルドー村はミルドー山の
2人は手分けして商店街の店に聞き込み調査を開始したが、どの店主も口を
「なかなか有力な手がかりは
「まあ最悪4人でミルドー山をくまなく探すしかないよな」
「何言ってるの? ミルドー山の総面積を考えたら1000人位動員しないと探せないわ」
「ですよねー」
言葉にされると
2人は商店街の外れまできており、この周辺にはほとんど店が無かった。すると路地裏の方に1
2人は最後にこの店に聞き込みをする事にした。看板にはリチャード質店という屋号が
中に入ると店主であろう人物が会計に追われているので、2人は店内を物色する。質屋なのだから当たり前だが、様々な物を売っていた。衣類、
「お
「少しお話
「はぁ……ウチになんの
「実はですね……」
メグは今回の
「そういえば、数日前にこの村の外れにある
「本当ですか? その廃屋の
「ご説明するより、地図をお
そういうとリチャードは奥に地図を取りに行った。
ホールデンとメグは初めて有力そうな情報を得たと、少しだけ
「ようやくそれらしい情報を摑めたな」
「そうね。だけど、目当ての盗賊団じゃない可能性も大きいし安易に喜べないわ」
「まぁ、ひとまず何の情報もないよかいいじゃん。情報だけもらって帰るのもアレだしここの商品なんか買っていくか。もちろん経費で」
ホールデンは自分のポケットの中の
「50ルード
そんな事をいいながらリチャードは地図を片手に奥から戻ってくる。
ホールデンは小銭を拾い確認すると、彼が言う様に57ルードであった。
「すげー! なんでわかったんですか?」
「いや、【
リチャードは
「変わった特技ですね」
メグがそう言うと、リチャードは地図を渡してきた。
「いやはや、
「俺はなんか好きですね、その特技」
ホールデンが本気で感心している中、メグはリチャードに地図の礼を言うと、ホールデンをおいて外に出て行く。ホールデンはその後を
「このお店の商品全部安いんですね」
するとリチャードは
「ウチは特別な仕入れ方法を取り入れていますので……」
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