第三章 Absolute Beginners⑥
「で、どこから情報を得るんだよ?」
なんとか
ちょっと考えればわかる事だった。例のキス事件の謝罪はしているのだが、許してもらっている訳ではない。ただ、ホールデンに関してはこの
「なぁ、どうしたら協力して依頼を達成できるようになるんだ?」
すると、スタスタと歩を進めていたメグの足が不意に止まる。が、相変わらずホールデンの方を見ていない。
「私にかまわないでくれる? 私は私のやりたい様にやるから、
切れ味
予想……というか理解はしていた事だ。だが、こうして面と向かってこんな美少女に『
やがて第1区画を出、第2区画の林道に入るとホールデンに
「はっ! 《
頭の中で天使と
「なにぶつぶつ言ってるのよ。気味が悪いわね……」
がっくりとうなだれるホールデン。しかしすぐに自分を
(腹をくくる前にジゴロになられても困るからな……)
と、メグは急に足を止め
(ああ! くそっ! 結局発動しちまった……もう後は野となれ山となれだ!)
ホールデン(ジゴロVer.)は前と同じ様に自信に満ちあふれた表情を
メグは
「……私にかまうなとさっき伝えたはずだけど?」
(こええ……ここからどうするんだよ俺は……)
メグは今すぐにでも剣を抜きそうになっていた。通常時であるのならば、
ホールデンはメグの肩から静かに手を
「フラワーズさんが望むなら僕を一刀の元に
「えっ?」
(えっ?)
その反応は予想していなかったメグは面
「すまない。
(おい! 何命軽々しく差し出してくれちゃってるわけぇぇぇぇ!)
「……本気なの?」
「……本気さ」
(本気じゃないです!!)
メグは
メグは
(ひいいいいいいいいいいいいいいいいいい! お願いします。命だけはご
内心のホールデンとは真逆で、
「……こんな事を言うのは失礼かもしれないが、聞いて欲しい。僕は
メグはその言葉に
「な、なにいってるの……そ、そんなおだてたって簡単には許さないわよ」
(あれ……? これは……もしかすると良い方向になってきてるんじゃないか)
「もちろんさ。言葉だけで許してもらおうなんて
「あーもう! わかったわよ。ここだけ見たら私が悪いみたいじゃない。いいわよ! 割り切ってあげるから。それに100億ルードっていう罰も受けている訳だしね」
(うっ……改めて口に出されると100億ルードって言葉はそれだけで暴力になるな……)
「……それじゃ、僕の気が済まない」
(いや、済んでくれよ!!)
「うるさい! 貴方の気なんて知らないし。私が割り切るって言ってるんだから、ありがたいと思いなさい」
メグは
「……すまない。君の
ホールデンは最後に深々と頭を下げた。
「別に許してないから。割り切るってだけ。仕事に支障が出ない位には話してあげるわ」
「それで
「えっ……?」
満面の
「よりにもよってこのタイミングかよ!」
ホールデンはいきなり
「ちょ、ちょっといきなりなんなの」
急に大声を出すホールデンにメグは
「夢中になるってのは……そ、その……ああ、そうだ! いつか本当に許してもらえる様にがんばるって意味だ」
まだ
「まあ、いいわ。ぐずぐずしてると今日1日何もできないで終わっちゃうから行くわよ」
メグはそういうと、先を急いだ。ホールデンは胸を
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