第三章 Absolute Beginners③
「んじゃー次行ってみようか」
ヴィンセントは調子を戻し、次を
「はい」
「メグ・フラワーズです。以後お見知りおきを。
「目標はあります。しかしそれをいうのは
一同は一言一句
「……私にはこの世で信用できないモノがあります」
メグはホールデンを一瞬
「それはお金です。……しかし、悲しい事にこの世界ではお金がないと生きてはいけません。それに私の目標とする事には絶対的にお金が必要です……。そしてそれは私自身で稼いだお金でないといけないのです」
メグは自分で稼いだという所を強調した。その様子からは
(……自分自身で稼いだ金か。俺と全く同じ考えだ。気になるが、どうせ今は話も聞いてくれないだろうな)
「よし。一通り終わったな」
メグが終わると、カースティは立ち上がり最初に居た場所に戻る。
「異例だが、今日からクートヴァス・インクより出向社員がくる。入ってこい」
無言で入室して来たのは見覚えしかない人物であった。
「……クートヴァス・インクから出向してきたティア・ラブ・ヒューイット。
その
「なんであいつがここに……」
「ヒューイットは国王の特務で出向してきた。使える人材が増える事は喜ばしいことだ」
(
「それではヒューイット。空いている席に座れ」
「……わかりました」
ティアは無感動に返事をすると後ろの方に着席した。その間一瞬たりともホールデンの方を見ようとはしなかった。
「さて。諸君。ここでいくつか伝えておかなければいけない
カースティは
「お前達がこれから長い間ウチにいるかはわからん。が、ウチにいる間は私が今から言う事を絶対に
絶対に遵守しろという言葉を聞いた新入社員はその迫力に
「わかったら返事」
新入社員の皆はそのきつい口調に
「1つ目。当たり前だがウチの
静かな表情のままだが、最後の言葉は辛辣だった。クビは実質社会的な意味において
「2つ目。敵前
カースティの言う通りラロケット・インクは急速に業績を
「ただし……」
カースティは今日一番の険しい顔を作ると、ひりつく様な雰囲気になる。
「何事も例外はある。私が今から言う事はその例外だ」
その様子を文字通り
カースティは
〝
そう記されていた。
「
ルードワルドに住まう者で
「
そう誰かがつぶやいた。そこにいた全ての新入社員は同じ気分であろう。
「
「あの……逃げないとどうなるんですか? そもそも
前の方にいた者が声をあげる。
カースティはその声をあげた者を
「……言っておくがこれは
誰かが
「なぜならほとんど
良くて死、最悪死ぬより酷いメ……。死ぬより酷い事とはいったいどんな事なのだろうか。ここにいる者達には皆想像する事も叶わなかった。
「
カツンカツンと力強く黒板に書く。
「闇の
メグが不意につぶやく。
「まぁ知らないのも無理はない。
「
今度はホールデンが声を上げる。
「それはな、
場が静かにざわめく。
「
「……闇の
サリーが
「もちろん何回も闇の
一同は
「……いいか?
《てつ》
全員ゆっくりと
「では、本日は配属先を
カースティはそういうと会議室を後にした。
「うぃー。じゃあお前ら適当に散って行けよ」
ヴィンセントは新しい
新入社員達はそれぞれ
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