第一章 Despair Came Knocking④
「これより本年度の
全ての人間が
今年度の新卒者の人数は約8万人。平均6万人位なので今年は多いと言える。
この
「次は第4位メグ・フラワーズ」
「はい」
長官がミネルバの羽根ペンで、メグの
ステータス 力 870 防 466 速 654
通常スキル 《
効果 斬撃に爆発系魔術を付与する
発動条件
詠唱文[一の
公開されると会場がどよめいた。
【魔術剣士】は
メグはその結果をみても特に表情を
「……上級職。さすがノア・フラワーズの血族」
「うん。そうだね。ノア・フラワーズの娘なら
サリーもティアと同じ様な意見だった。周りにいた全ての人がそんな内容を話していた。
「……つーか、
ホールデンは2人の呟きに
「ホールデン君の言わんとする事はわかるけど、やっぱりノア・フラワーズの娘として生まれたからには付きまとう宿命みたいなものだと思うよ」
そうサリーは
「それほどノア・フラワーズはクートヴァス内どころか、このルードワルド全域においてその名を
【
その時に救った命は万を優に
「だからって高名な
不快を
「確かにホールデン君の言う通りだ。さっきの発言は軽率だったかな。ごめんよ」
「俺に謝っても仕方ないだろ。まあ俺の事じゃないからどうでもいいけどさ」
「……じゃあなんでそんなに
ティアは
「いや……まぁ……」
ホールデン自身、親の事で苦労した過去があったのでつい熱くなってしまった。
そんなホールデンの様子を見たサリーは気を
「あぁなるほど! ホールデン君、メグ姫みたいな子が好きなタイプだったんだね」
「はぁ!?」
ホールデンは変な声を出してしまう。
「……そんな好みとか好みじゃないとかくだらない。男の子は
ティアはそういうと、自分の胸をホールデンの
「そもそも、俺は一言も好きだなんていってないからな! そんでティア! 毎回毎回お前の話は
「……飛躍? 全然そんな事ないと思うけど。みんな最終的には同じことをするんだから、間の行程を省くってすごく合理的じゃないかな」
真顔でそんな事を言ってくるティアに、頭痛とため息が同時にこみ上げて来た。
「お前ってやつは……」
「次は第3位 サリー・バーンズ」
そんなやり取りはサリーを呼ぶ声で中断される。
「よろしくおねがいします!」
長官の前に立つと
ステータス 力 980 防 876 速 1098 賢 988 魔 590
効果 対象者はあらゆる状態異常より復帰する
「──急いで
「──金に糸目をつけるな。
「──なにぃ! すでに決まっているだとぉぉ!」
会場は先程よりも大きな声で
「いやぁ、なんかすごい騒ぎになっちゃったね」
本人はそんな
「早まった事したな。先に就職決めなければ
ホールデンは心底哀れむ様にサリーに声をかける。
「ははは。けどまぁ僕は自分の能力を、尊敬できる人の所で発揮して、それを評価してもらいたいんだ」
「返しがさすがすぎて何にも言えないわ」
ホールデンは
場の熱が冷めないうちに、長官は次を呼んだ。
「第2位、ティア・ラブ・ヒューイット」
ティアは無言で立ち上がり、静かにステージまで歩いて行く。
ステータス 力 490 防 435 速 678 賢 1590 魔 981
通常スキル 《
効果 対象者1名の罪を
発動条件 呪文詠唱
詠唱文[一の罪は、千の善行にて
先程のサリーの騒ぎよりは少ないものの、
今年度ここまで出た上級職は7つ。例年は3つ、多くても5つといったところだ。今年は非常に豊作といえる。スカウトマン達は
「……サリー・バーンズのせいで私の上級職が
ティアは行った時と同じ様にゆっくりと自分の席に戻ると
「ティアさん、大丈夫だよ」
そんな険のある声をサリーはいつもの笑顔で受け流した。
「何が大丈夫なの?」
「だって、この後はホールデン君が
サリーはそういうとホールデンの方に顔を向けた。
それについてはティアも否定はしないらしく、ホールデンの方に視線を向ける。
「まぁまぁ。期待しても、期待以上の結果がでてしまうと思うけどな」
そういうとホールデンは立ち上がった。次はホールデンの番だがまだ呼ばれていない。実のところホールデンは待ちきれなかった。この
ホールデンは必ず上級職が
その時は
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます