第36話
1985年10月10日生まれの33歳
2017年とあるスーパーに中途採用され、2018年現在サブマネージャーとして働く。
自分がオタクだと意識し始めるきっかけになった作品は「機動戦艦ナ〇シコ」
比較的金銭的に余裕がある家庭に生まれたため、ゲームやアニメなどに触れる機会が多いが、余裕がある家庭で育った為にあまり勉強熱心ではなく、知識の多くは漫画・小説・ゲーム・アニメなどのサブカルチャーから得る。
また、ネット環境が整って自身でPCが買えるようになると、ネット上からも知識を吸収するようになる。
専門知識は持たないものの、広く浅く知識を蓄えている。
ん?ここは・・・どこだ。
「やあ、初めまして神田友人さん、私は儘というものです。」
「ふぇ?」
「ああーいきなりで驚かれていることでしょう。ただ、貴方に魔法の言葉を送りましょう。あなたはこれから異世界転生します。」
「マジカ」
「マジですよ。」
ふむ、状況を整理しよう・・・。
・・・なんでやねん?なんで、いきなり異世界転生とか言われるんだよ~!
友人は混乱の中にあった、彼の読み漁っていた数々の書籍の中には、異世界転生物の小説が沢山あった。最近ではネット小説で異世転生物を漁っているほどに傾倒していたが、いざ自分がその状況に陥るとは露ほども想像していなかった。
「とりあえず落ち着いて下さい。」
「おちちゅけと言われても・・・。」
彼は混乱のあまり自らが噛んだことに気付くこともない。
「まずはここに至った経緯を説明しましょう。その前に少し落ち着かせますね。」
儘によって強制的に落ち着かせられる友人。
あ~、これが賢者モードってやつか・・・。ふむ、こんなことを思えるなんて、意外と冷静なんじゃね?
「さて、落ち着いてもらったところで話を進めます。え~、今回あなたには私が創世した世界、ルツツルプウに転生してもらうために、貴方の肉体の生命活動を停止さえ、この場所に貴方の魂を召喚させました。」
・・・、おいおい、いきなり殺したとか言われたよ・・・。
「私は殺されたのですか・・・あなたに。」
「そうです、こちらの都合で貴方を殺しました。貴方の肉体は就寝中に心臓発作を起こして死亡したと、医療機関で診断されるように殺してあります。」
「そうですか。」
これが、神というものか。
「はい、なので貴方が選択できるのは、このまま私の提案に乗って異世界に転生するか、もしくはそれを断って死を迎えるかのどちらかになります。」
「それ以外の選択肢は?」
「用意していません。二つの中から好きな方を選んでください。」
「ふざけているのですか、こんなのどうしろと。」
「貴方が自分で選べないというのであれば、転生してもらいます。」
「なんなんですか、それは。」
「自分で選ばないという事でいいですか?」
「一方的すぎると言っているんですよ」
「ふむ、そうですね~。では、少々こちらの都合を貴方に情報として渡しましょう。」
そう言いつつ儘は友人に、今のルツツルプウの状況を直接情報として送る。
のわ!
彼は現在魂だけの存在で本来であれば痛みは感じないのだが、情報を直接送られるということに慣れていないため、生前の感覚で痛みと認識してしまった。
「いつつ。」
「痛かったですか?本来魂だけの状態では痛みは感じないのですが。死んでから間もないですからね、生前の感覚で物事を判断しようとした結果でしょう。」
「いや、でしょうって。他人事だな~。」
「それで、どうでしょうか?情報を受け取ってみた感想は。」
「感想ですか、理解しましたとしか言いようがないですかねー。」
友人は儘に与えられた情報により理解させられた状態だ。
「それは良かった。落ち着かれた様ですし、改めて質問します。転生しますか?このまま死を迎えますか?」
「転生します。」
「それは良かった。同意を得られないで送るのと、同意を得て送るのでは、結果が変わってしまいますからね。では、異世界転生を楽しんで下さい。」
―――――
「マスター、彼は?」
管理者の空間に儘が戻ってきたと同時に声を掛けたのは茈。
「上々でしょう。流石にあの時代のオタクの順応力の高さには脱帽しますよ。」
「そうですね、いきなり死んで転生させますで納得してしまうのですからね。」
「いやいや、ここから見てましたが、あっさりしすぎでしょう。」
蒼は疑問を投げかける。
「それがあの時代の日本人のオタクという存在ですよ。」
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