第30話 サイド彼

―――


種族マナアメーバを獲得しました。

スキル魔素探知を獲得しました。

スキル魔素操作を獲得しました。

スキル魔素精製を獲得しました。

スキル魔子探知はスキル魔素探知に統合され魔素探知レベル2に上がりました。

スキル聖子探知はスキル魔素探知に統合され魔素探知レベル3に上がりました。

スキル魔子操作はスキル魔素操作に統合され魔素操作レベル2に上がりました。

スキル聖子操作はスキル魔素操作に統合され魔素操作レベル3に上がりました。

スキル魔子生成はスキル魔素精製に統合され魔素精製レベル2に上がりました。

スキル聖子生成はスキル魔素精製に統合され魔素精製レベル3に上がりました。

システム魔術システムが解放されました。


―――


 ぐっ、なんだこれは・・・。


 彼の知覚領域が魔素探知により拡大される。

 この世界は魔素で満たされている。

マナは魔子・聖子・魔素の要素で成り立っているが、魔素に比べて魔子と聖子の空間に存在している量はそれほど多くない。

 だから、魔子探知や聖子探知を取得しても、それほどの負担にはならなかったのだが、魔素は空間に大量に存在している為に、魔素探知で知覚できるようになったとたん、膨大な情報が彼に流れ込むことになったのだ。


 これは・・・、まずいな。何か対応策は無いか・・・。


 システムを閲覧し、自分が今取得できるスキルの中に、有効なモノが無いか探る彼。


 あった。


―――


スキル演算能力向上を獲得しました。

スキル算術を獲得しました。

スキル記憶を獲得しました。


―――


 彼は急ぎでパッシブスキルから有用そうなスキルを取得する。


 ふ~、これで何とかなったか。しかし、取得するだけでこんなに負担が掛るスキルがあるとはな。他にもこんな事が起きるかもしれない。今後は気を付けないといけないな。

 が、これで知覚領域は格段に広がった。


 魔素探知で探知できる領域はそれほど大きくはないが、魔素の動きを演算し周囲の状況は予測することが可能になる。

 この魔素を利用した周辺環境の予測は、彼女を初めとした多数のアメーバ達の蓄積により、予測の領域を超えつつあった。確した情報として観測できるようになるのは、そう遠い未来の話ではないだろう。


 さて、魔素操作を憶えた訳だが、新しいシステムの使用権限が下りているみたいだな。

 どれどれ・・・。


※※※


 なるほどな、魔術システムは魔素を利用した万能スキルといったところか。


 魔術システムはスキルシステムと対を為すものだ。

 スキルシステムは肉体依存度の高いシステムで、SPを消費して肉体を介した力の操作により、事象を起こしている。

 対して魔術システムは、魔力依存度の高いシステムである。MPを消費して体外へと直接に影響を与える事象を引き起こすのだ。


 だが、構成魔術単体での運用をするのは阿保のすることだな。燃費が悪すぎる。

 そこから派生した何れかの魔術を得た方がいい。


 以前記述した、彼女のテストで使用していた構成魔術は、魔術システムの根幹システムである。これ単体での運用は想定されていないため、構成魔術だけで魔術を使用すると膨大なMPのロスに繋がってしまう。


 音声魔術と文字魔術があるが・・・、音声魔術は無理だろうな。声が出せねえからな。そうなると文字魔術しか選ぶものがない訳だが・・・、果たして扱いきれるのか?

 ここでうだうだ考えても仕方なしか、とりあえずやるだけやってみるかね。


―――


スキル文字魔術を獲得しました。


―――


 ん?スキル扱いになってるのか。まー、そんなことはどうでもいいか。どういった魔術なんだ?


 文字魔術とは、MPを消費して空間に文字を刻むことに依って、発動する魔術形態である。


 これなら、発動が可能だな。試しに何か発動したいが・・・。っチ、面倒な使用だな~。


―――


スキル無属性文字魔術を獲得しました。


―――


 魔術スキルでは発動形態の指定を行うスキルで、取得できる魔術の数を管理する。そして、その決められた数の中で属性を選び取得する形になる。レベルが1上がる毎に、属性魔術のレベルを上げられる訳だ。

 そして、属性魔術が1レベル上がる毎に一つ魔術が習得できるようになるのだ。


んでだ、ここからさらに魔術を選択するのか・・・。ほんと面倒だなっおい!


―――


無属性文字魔術魔弾を獲得しました。


―――


 ・・・、確かにMP消費は抑えられるだろうよ、これだけLPは消費してるんだからな。瞬間的に使用できるには確かに便利だが、LP消費がきついだろこれ。

 俺以外のやつが魔術の習得するのは、LP消費コストがばかにならんぞ・・・。

 あー、だからこそ、俺にその分のアドバンテージがあるな。俺と同じ条件の奴なんか今までいなかったしな。

 フフフ、魔術特化で成長するのは面白いかもしれねえ。

 さて、試し打ちだ。


 彼は空間に発動の鍵となる文字を刻む。

空間にうっすらと光るmbの文字。MPを消費して魔素操作により描かれた文字から魔弾が放たれる。


―――


魔弾攻撃力14を放った。


―――


 なるほど、そういう感じか。


 今回彼はMP1を消費して魔弾を打った。

これにより今回打った魔弾は、彼の魔力とMPより攻撃力・射程・速度が算出された。

 魔力40×MP1=40となり、攻撃力14射程13m速度時速13㎞となった。

 彼の放った魔弾は4秒強ほど直進し霧散する。


 今回は攻撃力・射程・速度は何にも弄らなかったから、この数値になったわけだが、この振り分け方は俺の意志一つでコントロールが可能だな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る