第13話

 彼女は手始めに今いる場所にマザーアメーバを生み出した。

「では、よろしくお願いしますね。」

「はい、グランマの為の可能性を増やす大事な役割見事果たして見せましょう。」


 これを皮切りに彼女は移動をしながら、マナスから得られる経験値でレベルを上げながら、生命力を使いマザーアメーバを生み出していく。

 そしてかれらは世代を重ねるにつれ、眷属としての繋がりが希薄になっていく事になる。

 これは、創世者たちからの干渉。自然発生によって命を育むことが出来なかった彼らが、方針の変更によって行われることになった施策である。

 自然発生しないのであれば、生み出されたものを利用すればいいと。

 この事を彼女は知らない。


※※※


 彼女がマザーアメーバを生み出し続けること10数回余り。


―――

スキル魔素探知が解放されました。

スキル魔素操作が解放されました。

―――


「母様スキル解放出来ました。」

「お疲れ様です。これで新しいことに挑戦できますね。」

「はい、役に立てて嬉しいです。」

「それはそうと、魔力探知や操作じゃなくて魔素なんですね?」

「あー、それについて説明しますと・・・」


 この世界には魔素が満たされている、魔力とはこの魔素に干渉するための能力値のことである。


「・・・と、云う訳でして。」

「なるほど、魔素に私たちの魔力を使って干渉するということですね。」

「はい、そうなります。だた、現状だとどうしても瞬間的な操作しかできないようなのです。私の技術が未熟なようでして・・・。」

「それは、今後研鑽を積んでいきましょう。」

「では、残しておいたLPを使ってスキルを取得しましょう。ほんとありがとうっ」


―――

レベル62


取得種族

アメーバレベル42

マザーアメーバレベル42

水棲アメーバレベル42


ミニスライムレベル8


魔物特性

マナスレベル8


スキル

魔素探知レベル8

魔素を感知する。

ステータスオド解放。


魔素操作レベル8

魔素を操作する。

ステータスMPマジックポイント解放。


ステータス

MP1/1

オド1/1

魔力8


取得職業

ファーマーレベル2

キャリアーレベル2


取得称号

原初生命体・創造者のお気に入り・アメーバコロニー中枢・最初の魔物・自分殺し・自分喰い・同族殺し・同族喰い


スキル

捕食レベル42・細胞分裂レベル41・レベル注入レベル40・畑創造スキルレベル40・ファーマー創造レベル40・キャリアー創造レベル40・アメーバコロニー管理者創造レベル40・念話レベル40


魔素探知レベル8・魔素操作レベル8


ステータス

MP1/1

オド1/1

生命力44

筋力10

魔力44


―――


以降魔力値の消耗と回復機能は、MPとオドにによって管理されます。


―――


「何やらステータスの項目が増えましたね。」

「そのようですね。」

「まずオドですが、これは体内のマナという意味の筈です。そこから予想されることはマナイコール魔素ということでしょう。」

「そうなると、MPはそのオドから抽出したものであるということですね。」

「抽出ということは何かしらの変化が起きているはずですが、現状では解りませんね。」

「ですね、魔素探知で認識できないので、他のナニかに変質していると思います。」

「それなのにステータス上では見えるのですから不思議ですね~。創世者の気づかいというやつかしらね。」

「私はまだ直接会っていないのですが、話を聞いている限りでは、母様以上の能力を持ってるという話です。そんなご都合主義なこともできるのでしょう。」

「ま~、このレベルやらスキルとかを生み出すような人ですからね。話を戻しましょう。MPの方の探知はできそうですか?」

「それは難しいと思われます。どうやら魔素と大分性質が異なるのか、今の私では認識する取っ掛かりが掴めないです。それから、今まで使っていないので気付きませんでしたけど、魔力って変動したんですね。」

「そのようですね。そうなると生命力の方も何か下位のステータスが存在する可能性がありえそうね。」


 水中を絶えず移動しながらプルプル検証をしていくミニスライム。彼らは自分たちに与えられている知識が如何に限定的なものかを再認識していた。


「ふう、解らないのであれば、今は出来ることを検証していきましょう。」

「はい母様、魔素は見えてますね。」

「えぇ、見えています・・・というか、すごいですね一気に鮮明に周囲を知覚できるようになりました。」

「はい、私もスキルレベル上昇に伴い以前よりはっきりと認識できるようになっています。」

「魔素探知、これは周辺の状況を観察するにはうってつけですね。ただ情報が多すぎるのか少し酔いのような感じになってしまいます。」

「これは、不用意に魔素探知のレベルを上げると、情報処理にかなり手古摺りそうですね。」

「確かに、何かしら対策を講じないといけないでしょうね。」

「情報を大量に処理するためのスキルとかあればいいのですが。」

「それに関してとりあえずの対策はありますよ。」

「そうなのですか?」

「えぇ、このスライムの体の体積を増やしていけばいいのですよ。」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る