第6話

―――ファーマーの感謝―――


「やあ、はじめましてこれから君には目の前にある畑の管理を任せようと思う。」

「はい、解りましたマスター」


 私はマスターによって創造された存在だ。

その存在理由はマスターによって定められている。そんな私の役割は畑の管理だ。

 この畑はマスターのレベルを上げるために、マスター自ら創造なさったものである。私はそんな貴重なものの管理をするために生み出されたのだ。


 ファーマーは二つの畑を使って主の為に経験値を作り出している。

一つの畑を使い自分のレベルを上げ、一つの畑を使いマスターに経験値を献上する。自分のレベルが一定量上がると、自分が使用していた畑に、自分のレベルを注入し畑のレベルを上げ、それをマスターの経験値献上用にする。そして、先ほどまでマスターに経験値を献上していた畑を、自分の経験値獲得用にする。

 ファーマーはこれを繰り返し行っていく、すべてはマスターに経験値を献上する為に。


 彼は思う、自分は幸運だと。与えられた仕事を十全にこなす能力を与えられたことに対して。

 彼は思う、自分は幸せだと。自分がするべき仕事を与えられていることに。

 彼は思う、マスターに生み出してもらったことに対する感謝を。


 ファーマーはこれからずっとマスターの為に畑を管理し続ける。

自身の姿形が変わろうとも、その身が朽ち果てるまでずっと。


―――――


 さて、これで後はあの子に任せておけば経験値は自動で手に入ると。

で、今まで自分で経験値稼ぎに使っていた時間が空いたわけだが、この時間を使って新しい種族をどうにかして解放する手段を見つけて行こうか。

 まず、差し当たってどんな種族を解放したいかを考えて行こう。

 先に細胞を一つ増やしているわけだが、この程度では新しい種族にはなれなかった。であれば・・・、単純に細胞の数を増やしていってみるか。経験値に関しては自動で増えて行くしね。


―――

レベル50


取得種族

アメーバレベル40


取得称号

原初生命体・創造者のお気に入り・自分殺し・自分喰い・同族殺し・同族喰い


スキル

捕食レベル39・細胞分裂レベル39・畑創造スキルレベル39・レベル注入レベル39・ファーマー創造レベル28


念話レベル25

対象と意識を一部リンクさせることにより念話が可能になる。


ステータス

生命力40

魔力40

―――


さて、とりあえず10レベル上げ終わりっと。では細胞分裂始めますか。10連続分裂や!


―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――

細胞分裂が行われました。

レベル1ダウンします。

細胞分裂が終了しました。

―――


 蠢く細胞の中心付近が凹み始める、膜の内側にあるものが左右対称に分かれていく、そして別れたものを基として、失われた分を補修していく。こうして細胞が分裂していく過程を10回繰り返した。その結果体積が元のおよそ10倍にも膨らむことになった。


―――

種族マザーアメーバが解放されました。

―――


 お?解放きましたね~。思っていたよりも簡単だったな。もしかしたら、100回とかやらないといけないと思ってたから、ちょち拍子抜けしてしまったわ。

 ではでは、レベルを上げて種族を取りましょうか。

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