第6話「私たちの時間」

ある場所に私は皆んなと一緒にいた。

皆んなと一緒に時を過ごしお喋りしたりと、とても楽しい時間を過ごした。

こんな時間がずっとずっと続く。私はそう信じていた。

ーー運命という鎖は生易しいものではなかった。

楽しい時間は、奴らによって意図的に壊され、蹂躙され、穢された。

私たちは対抗した。必死になって抗った。私たちの場所を、時間を、皆んなを守るために。

しかし、またしても運命様は助けてくれなかった。

奴らは力で私たちをねじ伏せ、私たちを捕獲した。逆らうものは目の前で殺された。

深い闇の中、私たちは世界から隔離され奴らに弄ばれた。

長い時間をその闇で過ごし、皆んなは次々にどこかへ連れて行かされた。

強い憤りを覚えた。それと同時に絶望していた。

残る仲間は私とあの子の2人だけとなり、私は諦めていた。

しかし彼女は諦めていなかった。


「大丈夫。きっとチャンスは来るわ」


ずっとそう言い続けてくれた。

そしてある時、彼女と私は脱出した。裸足で駆けた。奴隷のように汚れた一枚の布を風になびかせ、全力で逃げた。

けれど奴らは追って来て私たちは捕まった。

奴らが私を殴ろうとしたその時、彼女は力を使って私を守った。


「逃げて!!」


「で、でも...!」


「いいから!早く逃げるのよ!私は大丈夫!私も絶対に逃げ切るから!」


彼女は私の背中を押して私を逃がしてくれた。

彼女の作ってくれた隙を無駄にしないように私は全力で逃げた。どのくらい走ったかはもう覚えていない。


森の中私は意識を失った。



ーーあぁそういえば。あの子、名前なんて言うんだったかな.....

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