第6話圧倒的力の差

裏庭へ移動してきた。

「さー。始めましょう先輩。」


未来版剣道

ルール

①相手を気絶させるまで戦い、

気絶したら敗北。

②防具は使わず剣道用バッチを使う。


剣道用バッチ・・・剣道用バッチとは

2100年に作り出されたバッチである。

竹刀の打撃を99%までおさえ、

バッチが吸収する。

ダメージは受けないが

痛みはバッチから神経を通して

直接脳に伝える。

一定以上のダメージをバッチが負ったら

脳に信号を送り、気絶させる。


剣道が始まった。

先輩が1歩1歩と歩き出す。

俺は能力を使う。

まずは右を叩きにいく。

当然避けられたが、次は軸足を叩きに

いく。重心ののっている今なら避けることなんて不可能である。

よし!

「なかなかやるじゃねーか。」

先輩からの攻撃だ。このきどうは

みぎ胴か。俺は竹刀で防ぐ。

先輩の重心が左によっている。

次は左か。後ろに飛んだ。

よし。カウンターだ。

「ばんっ!」

竹刀の交わる音だ。

ちくしょう。防がれた。

「フハハハハ」

「なにがおもしろいんですか!?」

先輩の攻撃スピードがます。

避けきれないことはない。

先輩が竹刀を振り上げる。

1発でやるには。

神経の集中している脇の下か。

先輩の攻撃だ。先輩は竹刀を振り上げる。重心は前にのっている。

フェイントなんかではない。

面か。よし今だ!

渾身の一撃を脇の下に打ち込もうとした。だが

「ふっ。遊びは終わりだ。」

「!?」

先輩の姿がない!どこだ。

あそこから攻撃を変えた!?

そんなこと出来るのか?おれの錯覚...

なんかじゃない。

くそ!どこだ!

「後ろだよ。」

後頭部に痛い一撃。

でも攻撃した後は誰しも、スキが生まれる。しゃがんで振り返る。

「え!?」

いるはずの先輩がいない。

「残念だったな。」

そこから俺の意識がない。

気絶したのだ。


「うぅ。」

「集!大丈夫なの?」

「いのりか。」

俺は保健室のベッドで寝かされていた。

「じゃあ。私はいくね。先生には

言っておくから休んでて。」

俺は寝ころんだまま、考えていた。

あの先輩の能力は何なんだ。

あんなの物理限界を超えている。

目の前から消える。到底バッチの効果

だけじゃ、無理だ。

いやいけるのか?まだ俺の知らない

ことがあるのか。


6時限目。俺は参加することができた。

いのりはみんなには黙っていてくれているようだった。

「集よかった。」

いのりが安心した様子だった。

「おーい。よく聞けー。

中間試験の2週間前だ。

バッチを使いこなせるように

練習しておけ。」




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