第4話 決着 学級委員選抜戦
学級委員選抜戦当日
もうすぐ始まるのか。
でも俺は能力を使える 。
前回トラックに引かれそうになったのがきっかけで能力が分かった。
それは脳を活性かさせ、思考を加速させる。そして、瞬時に状況判断と最適解を求めることができる。
「学級委員選抜戦始め!」
始まってしまった。能力を使い、俺はしっぽをとりにくる手をかわす。
これじゃあ、いつかやられる。
ん?なんだあいつ。バッチの能力に振り回され、他の奴の邪魔をしている。
あいつは斎藤だったか?
あれじゃあ、すぐに捕まるな。
そして、俺はまた周りを見渡す。
俺が王様だと、目をつけているのは
5人。まず1人目は二宮だ。
バッチをうまく使って腕の力を
増大させ、しっぽを強引にとっている。あれほどの腕なら王様でも十分
戦える。これは王様が不利なゲームだ。
王様は人数が少なくなると狙われやすくなるため、しっぽを取られるリスクが大きくなるが、全滅させれば話は別だ。
2人目は、鈴木だ。
あの全く動いていないやつ、
リスクを避けているのか?
3人目はいのりと同じ能力で瞬発力上げ、逃げ待っている。西条だ。
時間切れ狙いか?
4人目は佐藤院。能力は体を柔らかくし、避けやすくする特に凄いわけでもない奴だ。だがあいつは、状況判断がすごい。人のいない所に逃げている。
5人目は鬼ごっこの時の首席合格の奴だ。名前は嫌でもわかる。
結城和也(ゆうき かずや)だ。
俺はこの中の5人の誰かだと思う。
時間は迫っている。3分が経過した。
離脱者は45人中5人だ。
まだ王様が生き残っているのか。
王様を見つけなければならないのに。
一体誰なんだ。むやみに取りに行くと
俺のが取られる。それは避けなければならない。残り2分だ。
あれ?おかしい。俺は違和感に気づく。
こんな事あるのか?
たまたまとは、考えにくい。
意図的にしているとしたら、あいつしかいない。でもどうやって取りに行く。
俺は思考を加速させる。この方法でいくか!俺は二宮の方へ走る。予想通りだ。二宮は俺のしっぽを取りに来た。
よし!この向きなら、俺は手をかわし
王様に二宮をぶつける。
奴は体制を崩されよろめく。俺がすかさずしっぽを取りに行く。避けようとしていたが無謀だ。能力発動!。
奴の重心を見極め、先読みする。
これで終わりだ。斎藤!
俺はしっぽを取った。
これで俺の勝ちだ!
放送がなる。
「王様のしっぽが取られました。
winner六神集。」
あの時俺の気づいた違和感。
それは残り時間のわりに人数が
多すぎる。
王様は人数が多いほど有利なのだ。
まぎれて逃げていればバレない。
そして、残りの人数を減らさないように奴は人の邪魔をして、しっぽを取らせないようにしていた斎藤しかいない。
奴は振り回されてると思わせ、邪魔をしても違和感のないようにしていた。
意図的に邪魔していたのだ。
「すごいじゃん集!まさか本当に
勝つなんて。」
いのりが嬉しそうに話す。
いや、勝つと思わなかったんかい!。
「女子の部はどうだった?」
「私はしっぽ取られて負けちゃった。」
「それは残念だったな。」
いのりがいないのは悲しいが
俺はこれで学級委員だ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます