第2話タイムリミット

残り20秒だ。

俺は校舎の中に逃げ込み、1点を目指して走る。俺の能力はまだわからない。

発動もしていない。なんで、なんだ。

俺は美術室に逃げ込んだ。

「集くん。あなたはこれで退学です。」

「鬼は先生だったんですね。」

「これくらい逃げ切れないようじゃ、

この学校には必要ありません。」

「そうですね。」

「チェクメイトですよ。集くん。」

俺に近寄ってくる。ここは3階の端だ。

逃げ道はないだろう。後ろは窓だ。

だが1つだけあるんだ。なぜ俺がここに

来たか。計画もなしに俺はここには来ていない。勢いよく窓の外に飛び出した。

「なに!」

「この下はプールだ。水は、張ってあっ

た。俺の勝ちだ先生。」

プールに飛び込み、陸に上がろうとする。声が聞こえた。

「お見事でした。集くん。」

顔を上げた。まさか

「でも、もう終わりです。」

計算外だ。鬼が2人いるなんて。

残り8秒。もう終わりだ。

俺はここで退学だ。

「諦めるのか?」

声が聞こえてきた。先生か?いや違う。

先生の動きは止まっている。

何が起こったんだ。俺も動けない。

ただし心の中で叫ぶくらいはできる。

「俺は諦めたくない!」

「そうか。右斜め前に飛び、タッチされそうになったら、もう一度プールに飛び込め。」

その瞬間時間が動き出す。これにかけるしかない!先生の手が触れようとする。

俺は、右斜め前に飛んだ。

「なに!」

先生が反応し、もう一度タッチしに来た。そして、プールに飛び込んだ。

先生の重心を崩した。そして、先生が

立てあがった頃には、

「ピピーッ」

終了の合図だ。絶対絶滅のピンチから

抜け出した。

「逃げきれた。」

緊張がとけ、いっきに疲れが襲う。

あの声は何だったんだ。聞き覚えのある声、俺の声だ。

「逃げ切った生徒のみなさんは体育館に集まってください。」

放送が聞こえてきた。とりあえず後で考えよう。

「よく頑張りました。みなさんあなた方

の身体能力はとても優れています。

入学おめでとうございます。」

200人の生徒が130人までに減っていた。そうだ!いのりは!

「集も逃げ切れたんだね!」

聞き覚えある声、いのりだ。

よかった。あいつも無事で。

「今回の結果を踏まえクラスわけをしま

す。」

こんな鬼畜なものをやるのかこの学校は。そして俺の能力は何なんだ。

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