第105話 京都の味幸。03

 そして味幸のカレールーを使用した味幸夏野菜カレーが完成した後、お経が終わるまではしばらく待つことにした。

 とりあえず、追わなければ事が何も始まらない事は確かなのだから当然だ。


 …ふぅ。今日は凄く調理して疲れた。けど、彩海やお聖人さんたちが終わるまでは待って、何かしようかな…。

 

 思っているよりも早く、調理が進んだ影響で本当に楽になった私は暫くここで待とうと思いながら時間を確認しようとした。

 待っていると意外と時間が長い…。

 確か1時間の筈なのに妙に長い時間が私の待ち時間を長くさせる。

 そう思いながら私はその状況を考える以外になかった。

 すると、お経が終わったような音がして…、


「あっ。お経が終わったんだ。」


 と思いながら、私はお経が音が鳴り終わったので、少しだけ安心した。

 どうやら、お聖人さんがお経を終えたそうなのでこれから私はお聖人さんの場所まで行き、カレーの話をしようと思った。


「お聖人さん。お経が終わりましたね。」


「おぉ、絵理奈ちゃん。もう、来たって事は、味幸カレーの調理が終わったそうだね。」


「うん。勿論だよ。お聖人さん。じゃあ、これからカレーを持ってゆくから暫く待っててほしいね。」


「あぁ、勿論だよ。絵理奈ちゃん。頼んだぞ。」


「ありがとう。お聖人さん。」


 お聖人さんもそろそろ、カレーを食べたいと思ったのでこれから味幸あじこうカレーを用意して食事しようと思った。

 意外とお聖人さんは自前の農地を利用してカレーなどを利用して食べたい思いが非常に強く洗われ散るのだと思う。

 もちろん、生臭いものはダメなので肉類はないけど、中にある夏野菜カレーは凄く美味しさを感じるもの何は確かだった。


「じゃぁ、これからお聖人さんや檀家さん達の為に、カレーを用意してきます。」


「頼んだぞ。絵理奈ちゃん。」


 そう思いながら私は味幸あじこうカレーを用意する為、台所まで行ってきた。


「やっぱり、絵理奈ちゃんは人がえぇからね。」


「うん。そうですがな。」


「あぁ、あぁいう性格だから亡くなった人は非常に助かっているんだよ。」


「せやね。あたしもそこはそう思ってしもうで。」


「そうだね。」


 檀家さんからそういう話を聞いていると私が皆に慕われているのはこういう人の好さと優しさがあるからだと思いつつ、これから私は味幸カレーが入った鍋を持ってゆく事にした。

 そして味幸あじこうカレーが入った鍋を用意しつつ、これから私はお聖人さんたちにこのカレーの味の良さをしっかりと味わう事を念頭に置いた。


「じゃぁ、これからこの味幸あじこう夏野菜カレーを用意するからそれでしっかりとご賞味してくれれば良いと思うぞ。」


「あぁ、そうだね。でも、そういう風に持ち上げられるとそれだけで非常に嬉しくなるね。」


 お聖人さんたちと話しながらこれから檀家さんや彩海、お聖人さんの分まで味幸あじこう夏野菜カレーを用意して大体、8皿分まで用意してこれから私はご賞味しようと思った。


「ねぇ。凄く辛い匂いがするけど、美味しそうだね」


「そうだね。これなら確かにおいしそうな匂いがするし、これなら食べても大丈夫かなと思うね。」


「じゃぁ、食べましょうか。」


「了解。皆で食べよう。」


 このカレーがどんな味なのかわからないが、それでもこの味をしっかりと味わう事でこのカレーを又、味わいたいのかしっかりと考えなければいけないと感じていた。

 そして味幸あじこう夏野菜カレーをしっかりと口に頬張った瞬間、


「すごい。この辛さと美味しさは凄く良いようにまじりあっている。辛いけどおいしい。」


「だね。辛いけどおいしいのはこのカレーの醍醐味だからね。」


 このカレーを私の舌の絨毯じゅうたんで味わっただけでも辛さが強く現れながらも凄くおいしい印象が強く現れる。

 そう思いながら私はこの辛さと美味しさが混じり合う料理も実はそこまでないのではなかと感じていた。


 けど、このカレーは以前、レトルトの同じような物に比べているからこそこのカレーは凄く美味しさを感じてくる。

 やはりチャツネなどを入れているせいなのか?

 それとも、私の調理が凄くおいしく出来ている事が多な要因ではないでしょうか?


 そう思いながら、私はこの料理の良さを感じ取りつつ、このカレーの辛さと美味しさを味わう事にした。


「うっ。確かにこのカレーは辛い。けど、辛さの中にうまみも多く潜んでいて凄くおいしい。」


「エリポン。あんたはこの辛いカレーを良く食べれるけど、なんでそこまで辛いものが平気なの?」


「彩海。私は直紀さんと共に以前は、味幸さんのレトルトカレーを食べたから凄くおいしく感じるの。ましてやチャツネやチョコレートを入れている訳だから凄く美味しさが出ているように感じた訳。」


 彩海がどれだけこのカレーをおいしく味わっているのかはっきり判らない。

 けど、この味をしっかりと受け止めないと美味しさが出てこないと思いながら私は彼女にしっかりと説明した。


「で、彩海もこのカレーを食べれば味が判るよ。」


「エリポン…。」


 どうやら彩海は辛いものに対して苦手な傾向があるというよりは辛さが強いから食べる事に対して抵抗感があるのだと感じた。

 でも、この味を食べてみればそれだけで良い味がしているから猶更だと感じた。

 そう思いながら彩海にしっかりとこのカレーを食べさせようと思っていた。


「大丈夫だよ。彩海。しっかりと食べればそれだけでおいしさを感じ取れるから。」


「判った。これから食べるから大丈夫だよ。」


 といいながら彩海は自身で絡みが強すぎるから拒否していたのだと感じていた。

 そして彩海がカレーを食べて舌の絨毯じゅうたんで味わった。


「辛いけど、これは凄くおいしい気がする。」


「でしょ。このカレーは辛いけど、美味しさが出るのは何故なのかはっきりと判るでしょ。」


「うん。エリポンがこれを食べたい理由がはっきりと判ってきて納得したよ。」


 彩海がこんなに納得した話をしながら私は引き続き、このカレーを食べ続けた。

 こんなにおいしいのに何故、彩海はそこまで食べないのか私には謎だった。

 確かに辛いけど、美味しいのがこのカレーの醍醐味だが。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る