第93話 築地の周りを歩く。

 私達は無事に場内市場を見終えたのでこれから場外に出て、直紀なおきさん達と再会しようとしていた。

 すると、直紀なおきさんは私達を見て凄く嬉しい顔で私達に迫ってきた。


「おっ。絵理奈えりなちゃん。歩奈ふなさん。彩海あやみちゃん。君たちは無事に戻ってきたんだ。」


「どうも。直紀なおきさん。私は歩奈ふなさんからの知り合いから場内に入って見学してきたの。」


「へぇ~。俺も入ろうかな~。」


「いや。あんたはロシア料理専門だからここは基本的に入る必要性がないでしょ。」


「やっぱり~。うぅ~。そうなると思っていたよ~。」


直紀なおきさん…。」


 あぁ…。

 やばい事をやったかな~。

 私は…。

 でも、どうして直紀なおきさんが場内に入れなかった事に対して非常に悲しんでいる状況に私は本当に彼をどうやって慰めればよいのか非常に悩んでいた。


 それだけ彼は築地の場内に入りたい思いが凄く強く出ているのだなと感じると本当に私は彼の思いが判った気がした。

 彼は守りつくした築地の場内をしっかりと見てみたいという思いが凄くある体と感じたからだ。

 そう思うと私はそれだけで非常に理解できた気がした。


 すると、弟の柚弦ゆずるが彼の肩をポンと叩き、彼に何か説得しようと思っていた。


「おい。直紀なおき。いい年の男性がこんなところで泣いてはいかんぞ。」


 ―――あっ。柚弦ゆずる。確かにいいたい事が判るけど、そうやって言われると直紀さんが傷つくから非常にやめてもらいたいと思うのは当然だからやめた方がよいよ。


 私は弟の行動を見て彼を傷つけさせる行動に柚弦ゆずるに少し注意しようと思った。

 でないと彼を傷つけさせる恐れがあるから。


柚弦ゆずる!!」


「お姉ちゃん。俺の何か文句があるとでも。」


「あんたね。直紀さんが泣いているのは場内に入れなかったことが原因なの判っていないでしょ。」


「ちっ。確かにそれはわかる。けど、それで泣いてはいけないのが男の役割じゃないか。」


「勿論。私だってそれはわかるよ。けど、直紀さんだって、築地の場内をしっかりと見たかったのは当たり前じゃないか。それができなかった事をおもうと彼が泣くのも理解できるんだよ。」


「だから何だよ。お姉ちゃん。」


「築地の場内はそれだけ彼に対して思い入れがあるんだ。だから入れなかった事に泣くのは当然じゃないの。」


「お姉ちゃん…。」


 私は柚弦ゆずるが行き過ぎた直紀さんの批判に対して凄く嫌気をさした為、柚弦を注意して直紀さんとしっかり話してもらおうと思った。


「だから…、柚弦ゆずる。この築地市場は豊洲の悪夢に勝って残った凄い市場なんだよ。それなのになんで豊洲ばかり推すのか訳わからないから本当にいい加減して。」


「ちっ。わかったよ。お姉ちゃん。でも、お姉ちゃんのお腹の中でも墓やレストランの他に市場を作れそうな気がするから俺はそういう市場もありかなと思うよ。」


柚弦ゆずる。いくら何でもそれは恥ずかしいから絶対にやめてほしいね。」


「ぷぷっ。お姉ちゃんが自分のお腹の中で市場などが作られると思うと非常に恥ずかしくなっていると思うのは当然じゃないかと感じる。」


「そっか。柚弦ゆずる。俺がこの市場を見たかったのは築地の構造なんだよ。」


直紀なおきさん。どうしたの。」


 柚弦ゆずるを説得させたのに彼に話かけようとする直紀なおきさんを見て、私は彼がなんでここまで築地に対して思い入れがあるのかわからなかった。

 でも、彼の築地に対する思い入れを知るとそれだけで私は本当にこの場所を守りたい思いが非常に強く現れているのだと感じた。


 意外と歩奈ふなさんも直紀なおきさんもここが彼らの出会いの場所だと思うと本当に2人にとってここは思い入れの場所だと改めて感じた。


柚弦ゆずる。ここは俺と歩奈ふなさんが初めて会った場所だから凄く思い入れがあるんだ。」


「そうなんだ。」


「で、俺も昔は一度、ここの場内に入った事があるんだ。」


「入っているんだ。」


「あぁ、入っている。けど、今の状況を確認したいからもう一度、入りたいと思ったんだ。」


「…。」


 私はこの言葉を聞いてそれだけ歩奈ふなさんと直紀なおきさんがいかに築地に対する思い入れがあるのかはっきりした上で、これから私はある事を提案しようとした。


「じゃぁ、直紀なおきさんさん。こういうのはどうかな…。」


「…。」


 私はこれから築地の周りや勝鬨橋かちどきばしから見た築地を見ようと思っていた。

 すると、茉理まつりさんが私達の前に現れて…。


直紀なおきさん。ごめんね。少し場外をエンジョイしていたから。でも、築地を見学する事は凄く良い事だと思うからこれから一緒に回ろう。」


「あぁ、そうだな。皆で回ろう。」


「うん。そうだね。」


「えぇ。そうだな。」


「勿論だね。直紀なおきさん。」


 私は彼らの話を聞いて非常に嬉しいと感じた以上、私はこんなに嬉しくなる状況を知るとそれだけで私は築地の周りを見ようと思った。


 そして築地の場外をまぐりながら私は見ているとそれだけで築地があの豊洲騒動の中で守れる事だけ守れたものが非常に大きくあったのだと思うとそれだけで嬉しくなった。


茉理まつりさん。築地が守れて凄く嬉しいよ。」


「そうだね。絵理奈えりなちゃん。私も死なないからこそ、こういう場所を守ってあげたい。ここは重要な観光地になるから猶更だと思うよ。」


「だね。茉理まつりさん。」


「えぇ。そうだね。絵理奈えりなちゃん。そういわれると私も嬉しくなるから。」


 彼女の笑顔を見た私は本当に墓守女子だからこそこういう使命を持つことを念頭に置く茉理まつりさんがものすごく輝いて私は凄く嬉しくなった。

 そして築地を見終えた私はこれから日比谷線築地駅に入り、茉理さんと別れて海老名までかえって言った。


 そして途中で千代田線直通のロマンスカーに乗車して私はと到着するまで寝る事にした。

 今日の思い出は凄く良いと思いながらロマンスカーで海老名まで走っていった。

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