第50話 少女はオカルト都市伝説を読む。

 今日の私は、休日故に例のオカルト雑誌『ウー』の都市伝説の本を読んでいた。


 9・11テロはアメリカ政府のやらせである事実は前から知っていたけれど、人狼などの都市伝説の他、ノアの洪水前の人間は1000年以上生きる動物だと思うとこれは逆に凄くて感動する内容だった。


 しかもそれが600円前後で楽しめる本に私は凄く知的好奇心を探ってしまった。


「姉ちゃんは、どうしてそこまで『ウー』の都市伝説の本ばかり読んでいるんかい?」


柚弦ゆずる。私は墓守女子に関する情報が結構、掲載されていて、私達の謎を解く為に読んでいるからね。」


「ふふっ。姉ちゃんは相変わらず、この本を読んで都市伝説や墓守女子の実情を知りたいんだな。その気持ちは分かるぞ。」


「そうだよ。柚弦ゆずる。たまに『ウー』の記事の中には墓守女子の話が特集される事があるから読んでいる。その話によると自分の身体がお墓になり、遺体を彼女達のお腹の中で消化して、遺体を骨だけにしてお腹の中で遺骨を埋葬して彼女達のお腹の中で永遠に眠る内容だったよ。」


「ふ~ん。でもお姉ちゃんが墓守女子になって逆に自分の身体がそうなって逆に嬉しいんじゃないの?」


「確かに少し嬉しいけど、呼んでいると少し怖い話もあるかもしれないね。私が死ねない身体だとすると生きていて辛い思いをするのは間違いないと。」


 私はその話を聞いて嬉しいと思った反面、少し怖い話もあったのでそれらを考えると非常に複雑だった。


 何故なら私より柚弦ゆずるの方が先に死んでしまう事は避けられないから…。

 そして私は死ぬ権利すらない。

 例え、この世が苦しくても、自殺が出来ない身体なのでずっと生きていかなければならない苦痛は墓守女子共通の運命なのだと。


 つまり私自身は生きる辛さを他の人より多く味わう必要があり、同時に私は死を奪われた状態でずっと生きてゆかなければならない状態に少し興味と恐怖を感じた。


―――私や彩海あやみは死ぬ事が出来ないし、死を奪われた状態でずっと生きてゆかなければならない。当然、自殺は出来ない。それは死が亡くなるから嬉しいけど、私は生きる辛さを他の人よりもずっと味わわなくてはならないのは辛い覚悟をしている。


 私は墓守女子になってから覚悟している。

 少子化対策とお墓不足対策を名目に私達のお腹の中がお墓になり、死を奪われ、自殺が不可能になる。


 そして子供が幾ら出来ても女の子なら墓守女子になるし、閉経や死、老いは全て奪われる事は変わりない。

 私はその話を始めて聞いた際には驚いた。

 けれど、今はそこまで驚く事はなくなった。


 今は彩海あやみもこうして墓守女子として生きているし、私も体内葬を行う影響で死を奪われても私はこうして生きているだけずっと良いと感じた。

 私より柚弦ゆずるの方が先に死ぬことも分かっている。


 だから私は死ぬことが出来ず、柚弦ゆずるの方が先に死ぬのを分かっているからこそこれからもずっと生きてゆこうと感じた。


「で、柚弦ゆずる。私のお腹の中はどんな感じだった。」


 私は私の体内世界の様子を見る事が出来ない。

 同時にこの身体は魂の成仏できるからだだから、死を奪われたツケでそういう生き方になってしまう。


 そして、私のお腹の中ではまるで別世界があるような感覚を次第に抱くようになり、直紀さん以外にもいると感じた。


「姉ちゃんのお腹の中の世界は、外の世界と殆ど変わらない位の感触を得て、私がその世界の支配主になると思うと少し驚いた。」


―――私のお腹の中で新世界の感触が出ている。何で渡しのお腹の中が定期的に掃除したり、腸や胃、心臓なども休憩しているんだろう。


 私の内臓も死が来ない分、凄く気楽に生きている事に少し驚いたが、それでもこういう生き方があるのは当然だと感じた。


「でも、柚弦ゆずる。私の身体が凄く綺麗になって生命の始まりと終わりが来るとなるなら、私が生命の中心にいるのと同じかなって思うんだ。」


「ふ~ん。でも、姉ちゃんのお腹の中で癌細胞は殺されるけど、凄く綺麗なピンク色の腸内だったし、凄く綺麗な腸内で、姉ちゃんも墓守女子になって凄く元気になった事から姉ちゃんが元気になって凄く良かったと思うよ。」


「うん、ありがとう。で、柚弦ゆずる。私と一緒に『ウー』を読んで一緒にオカルトを楽しもうか。」


「了解!!」


 私は柚弦ゆずると共にウーを読んで墓守女子になる事で様々な影響があると俺は感じた所為なのか非常に住みやすく私の体調が凄く活力を与える印象を持って凄く良かった。


 だけど、それは決して長く続く訳じゃない。

 けれど、私のお腹の中で独自の世界や体内食堂が構成されているなら、私が墓守女子の謎を少しずつ説いてゆこうと思った。


「で、柚弦ゆずるって、意外と『ウー』を読んで怖いと思ったの?」


「べっ、別に全然怖くないからね。姉ちゃんだって本当はこんな本を読んでビビる癖に何を言うんだろうか。」


「何をって、そりゃ私の体内は既に特別な存在だし、オカルトも怖い事があっても私だって普通の人間に比べたら墓守女子は化け物として扱われるんだなと感じた。」


 そうだと分かると少し目から涙が出てくるし、私はこの世でずっと残る生き仏になると、覚悟して生きてゆくしかない。

 それが例え、辛い生き方だとしても私はこれからもずっと生きなければならないと決意するしかなかった。

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