第33話 少女はビーツの煮汁でお菓子を作る。 後編

 そして、寒天と砂糖大根ビーツの煮汁が完成後、今度は大鍋で砂糖大根のあまり汁450ccと寒天のミックスを混ぜて溶かしていく。


 そして、沸騰したら弱火にして、シロップがとろりとするまで約40分位、泡だて器でかき混ぜる。


「あぁ、絵里奈ちゃんのアソコのシロップがとろりと出てきたな。」


 流石に直紀さんがそこまで下ネタが好きだとは思わなかったので拳骨を飛ばした。


 ―――ゴンッ。


「痛いな。絵里奈ちゃん。」


 当たり前でしょ。


 下ネタだし、私の身体で遊んだんだから。

 でも、私の身体は墓守女子になってから凄く神聖な身体になったせいか、非常に安心感があるけどね。


「直紀さん。料理を作りながら私の身体で変なことを想像しないでね。もし、やったらアンタのアレを切り落としすから。」


「はっ…、はい…。」


 流石に直紀さんの下ネタに厳重注意した私は40分が経った後、レモンジュースを混ぜ、それから火を外して室温になるまで混ぜ続けた。


「あっ、忘れていた。絵里奈ちゃんのシロップは温度が下がると固まるから鍋から外したら直ぐに外してお湯で濯げよ。」


「分かった。けど、下ネタを言わないでよ。」


「はっ、はい…。」


 何で、シロップや牛乳になると私の身体の部位を使うのか良く解らなかった直紀さんに私は恥ずかしながら怒った。


 それから小型のボールでバターをクリーム状にして、コンデンスミルクを混ぜてそのボールを暫く置いた。


 そして大形のボールで卵3個を黄味と卵白を分けて、卵白をベーキングパウダーで1つまみと共にミキサーで撹拌する。

 ミキサーで撹拌続けているところに冷めたビーツの煮汁と寒天のシロップを少しづつ注いだ。


 その後、ミックスが出たら5分間はそのままにした。


「いいねぇ~。絵里奈ちゃんのシロップを撹拌なんてなんてエロスなんだ。」


「直紀さん~。頭、ゴリゴリするわよ。」


「はっ、はい…。」


 **********


 バターとコンデンスミルクのミックスを、卵白とシロップのミックスに加え、泡だて器を使って最初はゆっくり、次に電動撹拌機でんどうかくはんきを使って完全に混ぜるまで撹拌をする。


 そして、撹拌かくはんしたら、ケーキ型にバターを塗って、最初のケーキを底に配置し、スフレのミックス半分を使用して、覆う。

 2番目のケーキをその上に配置し、残り半分のスフレのミックスで覆った。


「絵里奈ちゃん。大分出来たようだな。後は、ケーキを冷凍庫で15分位冷やせば良い。」


「分かったよ。直紀さん。アンタは下ネタも言うけど、こうしてまともなところがあるから案外、憎めないんだな。」


「絵里奈ちゃん。」


 私の笑顔を見て直紀さんは意外と恥ずかし気な顔をしながら、意外と彼は人情に弱いとつくづく感じた。

 **********

 そして、ダブルボイラーでチョコレートの断片とパターを溶かし、よくかい混ぜ、へらを使って、ケーキをチョコレートの上塗りで覆い、冷蔵庫で固めた。


「ようやく、出来るな。絵里奈ちゃん。」


「うん。」


「でも、絵里奈ちゃんの身体のでも冷蔵庫や冷凍庫があるから意外と俺は助かるんだよな。」


「そうか。これが体内食堂として使われた私のお腹の中なんだよね。」


「あぁ、そうだよ。」


 私は体内食堂がこんなつかわれかたをすると意外と憎めず、殺意が出なくなる程、安心と不安があった。


 そして自身には死が来ないから自殺する事が出来ない。

 自殺出来ない故に現世での苦しみをずっと味わなければならない苦痛が確かにある。


 しかし、それでも私は楽だった。


 最後に、底が抜けるケーキ型の側面を外し、ナイフを熱湯で熱した後、上塗りがひび割れしないように切った。


「これで完成なんだ。」


「あぁ、これで完成だ。」


 私はようやくビーツの煮汁を使用した鳥のミルクが完成し、凄く安堵し、これから試食を始めようとした。


「では、試食しような。」


「うん。」


「まって直紀さん。絵里奈姉ちゃん。僕にも食べさせてよ。」


「あぁ、柚弦ゆずるの分もあるから食べよう。」


 そして私達はこれから鳥のミルクを1口口に頬張り、舌の絨毯を掃除するように鳥のミルクを味わって食べた。


「凄い。甘さを控えているだけでなく鶏がまるでお●を出している味だ。そして、この鶏の品種はブロイラーでなく、チャボという鶏の品種だ。」


「確かに、ビーツの煮汁を使用すればチャボの鳥のミルクに近くなる。これはこれで新しい味を想像できた。」


「うん、これはこれで良い。チャボの●を吸っているような気がする。」


 私達はビーツの煮汁を使った鳥のミルクは鶏で言えばチャボの味のような気がして凄く美味しい味がした。


 そして、そのチャボのミルクを味わって凄く上質な味がして凄く美味しいと感じた。


「あぁ、チャボのミルクの味がして良かったよ。」


「あぁ、そうだな。」


 といいながら今度、機会があれば私はこの料理を作ろうと思い、全て頂きました。


 ご馳走さま。

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