第22話 水茄子でロシア料理を作る。後編。

 水茄子とサーモンのマリネを作った私と典紀さんはこれからロシア料理であるビーフストロガノフに水茄子を入れた料理を始めた。


「直紀さん。意外なんだけど、何で水茄子を茹でた料理があるんだろうか?」


 私は水茄子を茹でた料理があるなんて初めて知った。

 何故なら、水茄子は御漬物や生ハム巻き、及び生ハムの軍艦巻き寿司が主流で何れも生食が主流なんだよな。

 でも、加熱調理で水茄子を食べるのはある意味、斬新性があるかもしれないね。

 だから、私はその水茄子を食べてみたいと感じた。


「では、まずは水茄子を切ってオリーブオイルを使って少し炒めるぞ。」


「どういう事?」


「水茄子は炒める事でとろみやおいしさを出すだけでなく、身体を冷やす食べ物だから炒める事で温かく調理できる食材に転用できるんだ。」


「そうなんだ~。で、他にはシメジ、マッシュルーム、エリンギ、ピーマン、玉葱たまねぎ万願寺まんがんじ唐辛子があるけどこれらを使って調理するわけなの…。」


「そうだ。だから炒める手順としては玉葱、ピーマン、万願寺、マッシュルーム、シメジ、エリンギ、牛肉の順で痛めて水茄子は最後に調理する。」

 へぇ~。

 水茄子が何で最後に調理する事になるのかは分からないが、恐らく生に近い状態で水茄子を炒めてとろみを出すようにするかもしれないね。

 よし、これからその手順で作ってみよう。


 まずは、玉葱を炒めて飴色になるまで炒める。

 その次にピーマンと万願寺をある程度の焦げ目を付かせるまで炒める。

 そして、それからシメジ、エリンギを軽く炒めた後、牛肉を入れれる。

 そして、最後に水茄子を入れて、軽く炒めた後、水を入れて煮るまで待つ。

 その際に、灰汁あく取りシートで十分に灰汁あくをとったら最後はデミグラスソースと牛乳を入れて十分に茹でたら完成だね、


「ほう、これが水茄子のビーフストロガノフなのか。」


「そうだ、これを出して新しいロシア料理のメニューにしたいんだ。」


「そうなんだね。直紀さん。」


 私は凄く直紀さんのロシア料理に対する情熱があると同時に彼が私のお腹の中で料理店を営むのもマスメディアに晒されるのが嫌なのが理由だと私は改めて感じ取れた。

 だからこのビーフストロガノフにご飯を掛けてこれから食べてみる事にした…。


「凄い。水分を多く含んだ水茄子がビーフストロガノフと上手く混ざり合い、その味が凄く美味しさを感じるのは凄い。」


 私はこのビーフストロガノフにトロミが出たのは水茄子なのは間違いなく、更に万願寺まんがんじは唐辛子で唯一、辛さを出す成分がない為、野菜を中心としたビーフストロガノフでも問題ないと感じた。


「直紀さん。万願寺まんがんじは辛みがないからビーフストロガノフの味を損なわないでしょ。」


「そうだ。水茄子にとろみをつけながら、辛くない万願寺まんがんじ唐辛子で和えればビーフストロガノフらしい美味しさが引き立つわけだ。」


 私はその話を聞いてビーフストロガノフと万願寺まんがんじが意外と相性良い事に気付き、これが創作ロシア料理の原動力になると感じた。

 様々な食材を用いて創作ロシア料理を進める事がロシア料理の可能性を広げ、それがロシアの発展に繋がると…。

 私はそう思いながら、これから創作ロシア料理を自身の手で作り始めようと感じた。

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