第21話 水茄子でロシア料理を作る。前編。

 私はお聖人しょうにんさんから水茄子みずなすを沢山いただき、その水茄子みずなすでこれからどうやって料理すれば良いのか悩んでいた。

 すると直紀さんが…、


「おや、その水茄子みずなすで困っているようだな。だったら俺と一緒に創作ロシア料理を作ろうか?」


「直紀さん。今日もここに来ていたの?」


 彼は私の体内で営業するロシア料理店『ノヴァ―ヤ』の店長。

 水茄子みずなすを使ってこれから何をしようかと考えていた私にいきなり、彼がロシア料理について考えていたのに凄く驚きだった。


「だって、この水茄子みずなすでロシア料理を幾つも作れるの事を俺は知っているから。」


「そうなんだ。典紀さん。」


 凄い、水茄子みずなすの調理に仕方について考えていた彼が私の身体にない時はいつでも創作ロシア料理の研究をしていたとは凄く驚きだった。

 だからこんな人がいるから私は嬉しかったと思った。


「なら、まずは水茄子みずなすでロシア料理する前に貴様の顔を隠して茄子を備えて体内墓地の死者を供養しようではないか。」


 そうだった。

 もう、設定を話捨ていると思われがちだが私達、墓守女子は体内にいる死者を供養する役割を持つ、故に消化器官としての腸と死んだ人間を供養させる腸の2つがあり、私の顔を隠してお供え物とお焼香で供養するのが使命だった。

 そしてその時はお腹やお臍を出しながらも頭は仏様に不謹慎だから隠す事も式典の一つとされている。

 当然、私のお腹の前にお焼香や供物を備える為、私は動く事が出来ない。

 そして墓守女子になった私達は死、老い、閉経を失うので40過ぎても女子高生の姿でいる事になる。

 故に先に、お供物を備えた後、私はこれからお焼香と水茄子でお供えして私のお腹の中にいる死者を埋葬するのが私の役割だった。

 でも、これは私の生前葬みたいな感じで実は恥ずかしい。

************

 それから私のお腹の中にいる死体の供養が終わった後、これから本格的に水茄子みずなすの調理を始めた。


「今日、作り料理は、水茄子のビーフストロガノフとサーモンのマリネだ。」


 水茄子みずなすなのに炒めて良いの?

 あぁ、良いぞ。

 これから俺は水茄子みずなすでこの2つの料理を作って見せる。


「ありがとう。典紀さん。」


 私はこれから水茄子みずなすを利用したロシア料理が出来るとなると凄く嬉しい料理が出来ると思いながら、これから料理を作る準備をした。


「まずは水茄子みずなすを8等分にして、それから赤玉葱アーリーレッドを千切りにしてくれ。」


「了解。」


 私は典紀さんの言う通り、まず水茄子みずなすを8等分に切り、それから赤玉葱アーリーレッドを千切りにした。


赤玉葱アーリーレッド水茄子みずなすを下調理行ったよ。」


「よし、これで次はスモークサーモンと一緒に、フレンチドレッシングで混ぜるんだ。」


「了解。確かにこれえ和えれば美味しそうに感じるな。」


「当然だ。フレンチドレッシングは基本的に野菜と白身魚には非常に相性が良く、あっさりした味を演出できるからな。」


「そうなんだ。」


 とか言いながら混ぜたらあっという間にフレンチドレッシングがサーモンと水茄子みずなすのマリネが完成した。


「よし、次はビーフストロガノフの調理だ。」


 水茄子みずなすとサーモンのマリネを作り終えた私は次はビーフストロガノフの調理を始める準備をした。

 炒める水茄子みずなすがどんなものなのか気になった私だった。

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