第9話 少女はボルシチライスを調理実習する。

 今日は調理実習だ。

 私は彩海達と共に『ボルシチライス』を調理する事にした。


「ねぇねぇ。エリぽんはどうしてそんなにボルシチライスに拘るの?」


「ユリーナ。私がボルシチライスに拘るのは私の体内で『ノヴァ―ヤ』を運営している直紀さんを超える料理を出したいから…。気にしないで…。」


 彼女の名は、伊丹いたみ友梨菜ゆりな

 私のクラスメイトの1人。

 彼女は私が墓守女子だと知っている1人で彼女は私の体内で食事、墓参りした人の1人だ。

 私の体内で墓参りすると若い女性だけ幸運を呼ぶとされる。

 最も、それは幸運でなく、墓守女子に近い状態にさせられる事なんだけど…。

 それでも私の体内にお参りしたい影響で彼女は凄く人が集まる。

 だから、私の体内墓地は多くの少女の幸運を呼ぶものだと解っている以上、私も幸運を引き寄せなきゃと思った。


「ユリーナ。アンタはジャガイモや人参の皮むきをお願い。」


「分かった。」


 そして、ユリーナだけでなく彩海にも…、


「彩海。アンタは余熱の準備を…。」


「了解。エリぽん。」


 私は2人に余熱や皮むきを頼みながら、ビーツを切り、それからその赤い汁を落とす事にした。


 ―――よし、十分に赤い汁は落ちた。


 次に細かく千切りした玉葱を炒める準備をしなくては…、


「エリぽん。ジャガイモと人参の皮むきを終えたよ。」


「彩海。これからどうやって調理するの?」


 当然、ジャガイモと人参の調理を終えたから…、


「エリぽん。余熱は終わった?」


「うん、十分暖かくなった。」


「なら、玉ねぎから炒めるよ。」


 私は玉ねぎを鍋に入れてこれから玉ねぎが飴色になるまで調理を続けた…。


「よし、次はジャガイモと人参。」


「エリぽん。ビーツは…。」


「牛肉の前に炒める。」


 玉ねぎが飴色になった事から咄嗟位にジャガイモと人参を調理する過程に移った。

********


「次は、ビーツ。」


「よし、これで後は牛肉だけ…。」


「そうだな。彩海。」


「ここまで進んだからそろそろ、生クリームを入れなきゃいかんでしょ。」


「そうだね。」


 私はボルシチを調理が進み、生クリームが完成し、ボルシチがご飯に盛るとき、そのおいしさが凄く伝わってきた。


「凄い!!これがボルシチライスなんだ。」


「そうだ。後は、生クリームを掛ければ完成する。」


 こうしてボルシチライスが完成し、これで一先ず、調理が終わったと思った。

*******

「頂きます。」


 そしてボルシチライスを私が口にほおばった瞬間。


 ―――何という甘さと温かさなんだ。凄くとろける甘さにご飯とジャガイモ、ビーツで身体が温まる。●で冬のロシアから氷が解ける様な温かさだ。


「美味しい。こんなにとろけるおいしさを持つ料理は他にないよ。」


「そうなんだ。エリぽん。」


「エリぽん。私もおいしく食べちゃったよ。」


 互いに作ったボルシチがこんなに良い料理だと私は初めて感じた。


 すると…、


「エリぽん。ユリーナ。私にもボルシチライスください。」


「俺にも…。」


 と私達の目の前にボルシチライスを頼みたい人が大勢群がった。

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