【完璧な医者】

 そこの村には、どんな病気でも治せる医者がいた。


僕の母親も、肺がんになたにもかかわらず、数日後には元気な体で退院した。


しかし、そこの病院にはある噂がたっていた。


  『人間で実験をしている』


しかし、病気を治すための研究だとか、


実際に病気が治っているからいいじゃないかと、


村人たちは口を揃えて医者を褒め称えた。



 僕は、真相を知るべく、病院へと夜中に侵入した。


村の警備はもともとの人口が少ないため、


警備はとても手薄だった。


機械化も進んでいないため、セキュリティーも薄かった。


僕は裏口から、窓ガラスを静かに割って侵入した。


そこには、だいたい10人くらい座れる椅子や、


たった一つの診察室と、


いつも見たことのあるこぢんまりとした風景であった。



 奥には、「進入禁止」の文字が書かれた扉があった。


とても冷たい鉄の重たい扉であった。


鍵はかかっていたが、溶接などの金属を取り扱っている工場の息子である僕は、


容易にその鍵を外すことができた。


そこはとても冷たい冷気が流れていた。


そして下へと続く冷たい階段。


そして先へ進むと、


そこには冷凍保存された大量の死体と、人間型ロボットアンドロイドが、


数え切れないほど並べられていた。


僕はこの事実を写真に撮り、


村人たちに伝えようとした。


しかし、僕は写真を撮り終えた後、強い頭痛に襲われた。








 「今日はどういったご用件で」


僕の前にいる医者がそういった。


「この子、前まで走れていたのに、突然走れなくなったんです」


僕の母親がそういった。





「わかりました。すぐに『お取替え』しますね」

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