【赤い糸と黒い鎖 Ep.1】

 「刑務作業は終了だ、各部屋に戻れ」

暗い建物の中で、俺は小さな箱の中に監禁されている。監禁されているとはいえ、俺が招いたことだ。俺は3年前、ある一軒家の家族を皆殺しにした。新聞には、『無差別一家殺人事件』という見出しで一時期有名になった。その償いとして、俺は毎日のように作業をこなし、美味しくないご飯を1日3食しっかりと食べ、そして決まった時間に寝る。でも、3年ともなれば、こんなのも日課見たくなってくる。しかし、3年と少し経つある日、俺の前の牢屋に一人の少女が入ってきた。その少女は片目が包帯で包まれていた。

(こんな小さな女の子が…刑務所に…?)

この国は、どれだけ小さな子であろうが、犯罪を起こせば大人と同じように処罰される。しかし、目の前に連れて来られた少女はまだ言葉も未熟な10歳前後の子供であったのだ。俺は通りかかった牢番に少女の罪を聞いた。すると、牢番はこういう。

「あぁ、あの子は殺人だよ。しかも死刑囚」

少女は三日で斬首刑に処されるという。死刑囚も扱うこの大きな刑務所、しかし死刑囚であれば多分歴代最年少だろう。俺は、彼女の過去に、とても興味を持ってしまった。


 そして、俺はこの短い3日という短い時間で、少女と人生最大の賭けに出ることになる。

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