いや、もう……泣き笑いしながら読んでいました。
童謡がまるで似合わなさそうな朧先生が歌う歌。
何となく漢字から意味は察することは出来ますが、どうしてこうも動いている映像で見てみたくなるんでしょうか?
私に絵心があったなら、一体どれだけの挿絵を描いていたことでしょう。
まざまざとその光景が浮かび、歌が広がる様が見えます。
解すことは出来ても、救うことは出来ない――
その村の習慣はその村でしか直せない。直し方を伝えることは出来ても、結局はやるかやらぬかは村人しだい。救われるための努力は誰でもない自分たちでなさねばならぬこと。
それを割り切ろうとして割り切っている津雲も、時にはもどかしいものもあるでしょうが、一人で抱えずに済んでいるところが救いですね。
作者からの返信
橘 月さん いつもお読みいただきまして、ほんとうに有り難う御座います。毎度暖かいお言葉を頂戴して……挿絵…その御言葉だけでも嬉しくて震えるくらいです。そこまで愛していただける小説を書けたことは、これからずっと私の誇りになります。ほんとうに幾度感謝を申しあげてもたりません。
《救い》というのが実はこの小説の裏の題材になっています。誰も彼もが津雲に「救ってください」と縋りつき、津雲は「救えはしませんよ」と言い続ける……人の業の裏には救済をもとめる心があります。それは決して悪とは言いきれないけれど。
救われたい。救われない。救わない。ほんのちょっとだけ、救われる。
あともうちょっとで完結です。どうか、どうか、最期までよろしくお願い致します。
東日本大震災を経た後だと、相当に意味深な解説ですね。
作者からの返信
時織拓未さん
ありがとうございます。
仰るとおり、東日本にも三陸大津波の際に残された教訓を記す石碑があるとか。先人の教えはやはり尊いものなのだとおもいます。