何故か唐突に、私のところの監察医と朧先生と酒を酌み交わしたいと思ってしまいました。
きっと私のところの監察医も、朧先生と同じように谷底を睨み付けていたことでしょう。
綺麗事では乗り切れない。
他者だからこそ責められるけれど、当事者には選択の余地が無かった。
それを責めることが出来るのは、当事者たちの代わりに解決方法を提示し実行してくれる者だけ。
故に苦しい物語。
名主の立場になっても、名主の娘さんの立場に立っても、胸が締め付けられるような思いです。
作者からの返信
わあ、素敵な想像をありがとうございます(≧▽≦)
…なんだかんだ冷静を装いながらも朧さんは子どもが犠牲になったりする話が嫌いなので、腸が煮えていたと思います。ただそうでもしなければ生き残ることができない飢饉という現実も同時に理解しているので…複雑ですね。
人の業は善悪や成否、綺麗事で割りきれないことが多すぎて、だからこそ書きたいと想わずにはいられません。例え、書くこともまた、苦しく、辛くとも。私が人の業を題材とした小説を書き続けるわけは、やはりそこにあるのだと思います。
ほんとうにいつも細やかにお読みいただき、恐縮です。橘 月さんのいらっしゃる方角に足をむけては眠れません…!
機動戦士ガンダムで、セイラがシャアを指して言う。
「兄は鬼子です!」
鬼子とは「呪われた子」の意味かなと思っていましたが、改めて広辞苑で調べると最初の意味が本エピソードで登場した通りなんですね。
セイラの使い方は2番目でした。
40年後に初めて知った。
作者からの返信
時織拓未さん
「機動戦士ガンダム」懐かしい響きですね。鬼子というと、確かに「呪われた子供」「異端児」という印象は強いですね。
鬼子……歯が生えそろった嬰児の処遇は、県によっても違ったそうです。縁起がいいとする例もあれば、災いを招くとされた例もあり、実際に捨てられる子どももいたようですね。悲しい話です。